KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

ノルウェイの森 下 (講談社文庫)

ノルウェイの森 下 (講談社文庫)

ノルウェイの森 下 (講談社文庫)

作家
村上春樹
出版社
講談社
発売日
2004-09-15
ISBN
9784062748698
amazonで購入する

ノルウェイの森 下 (講談社文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

ヴェネツィア

村上春樹独特のユーモア(それは、とりわけ僕と緑との対話に顕著なのだが)と、これも特有のニヒリズムが共存する作品。物語中には3人の死(しかも、いずれも自殺だ)が描かれるが、キズキの死に始まった「世界と僕との違和」は、ハツミの死を経由して、最後は直子の死によって逆説的に克服に向かっていく。それはやはり、僕にとっての一種のイニシエーションの物語ということになるだろう。エンディングは、ことのほかにせつない。

2012/04/25

遥かなる想い

下巻は哀しい再生の物語だった。 この静逸さは何なのだろうか… 心を病んだ女性たちとワタナベ君の 会話が心に染み入る。 レイコさん、緑、そして直子、ハツミさん。 会話の中から窺われる彼女たちの 人生は、孤独で哀しいが、なぜか 前に向かおうとする 一筋の明るさを感じるのは著者の 意図なのだろうか。直子が生きる 世界と、まわりの世界…そこを 繋ぐワタナベ君の手紙。対比させながら 青春期の苦さをリリカルに 描いている物語だった。

2014/05/18

紅はこべ

永沢の就職祝いのシーン、ワタナベは永沢がハツミに意地悪していると思っているが、実はハツミに意地悪することによってワタナベへの鬱憤を晴らしているのではないか。永沢はワタナベに本命の恋人を紹介しているのに、ワタナベの方は自分の恋愛について全く永沢に語ろうとしない。そのことに傷ついているのでは?ワタナベに信頼されていないのは、永沢の自業自得でもあるが、そんなことで傷ついちゃう、意外と繊細で、お子様だったりする永沢。

2017/03/05

zero1

死者は生き残った者たちから何かを奪う。人は途中で生まれ、終わりを見ることなく死ぬ運命にある。ならば、他の人に思い出を残すことが存在証明になる。ワタナベは直子にどう対応すべきだったか?私の目からはかなり誠実に思える。人は何故生きるのかを、この作品から学んだ人も多かったはず。レイコは今後どうなる?緑は?再読して分かったことがある。それは、死を意識しているからこそ今を真剣に生きることができるということ。メールが当たり前の時代にあって、作中の手紙はとても大きな意味を持つ。あなたは手紙を書いてる?真剣に生きてる?

2018/11/07

mitei

とにかく感動した。後半は一気に話の展開が変わってきたのが意外に良かった。あと最後のシーンはどこなのかも分からないし、いつなのかもわからない書き方で煙に巻かれた様な狐につままれたような締めくくりで読者にボールを投げ返すことでいろんな議論が呼ぶのだろうなと思った。主人公は何故か君が望む永遠の鳴海孝之を思い出した。

2010/10/23

感想・レビューをもっと見る