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生まれる森 (講談社文庫)

生まれる森 (講談社文庫)

生まれる森 (講談社文庫)

作家
島本理生
出版社
講談社
発売日
2007-05-15
ISBN
9784062756273
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生まれる森 (講談社文庫) / 感想・レビュー

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ミカママ

島本さんの描く女性主人公は、みんな一生懸命で「メンドくさい」フシギちゃん、、、わたしの苦手なタイプ。同時にきっと(作中描写はないが)線の細い、綺麗な女の子なんだろう。だからちゃんと救いの手が入るし、ラストにはきちんと光も見える。今作ではなにより、キクちゃんファミリーの存在がよかったな。

2018/03/10

優愛

木の葉を隠すなら森の中、愛を隠すなら恋の中。どんな形の愛でさえ、恋と言えば綺麗になるの。それはまるで魔法のように。今はまだ、その木陰で眠りましょう。その無数の存在で成り立つ世界から本当に大切なものだけを抱き締めて、抜け出せる日はきっと来る。苦しいの、手を握ることは。難しいのよ、手を離すことは。想いだけじゃ上手くはいかない多くの恋愛を経験をもとに写しとるような感覚で読める小説。歳を重ねるほどに読み応えがあると思います。想うだけで、触れるだけで壊れそうなほどに貴女が彼を想っていたと。この森で私は、痛感した。

2017/10/25

おしゃべりメガネ

サラサラと読めるけど、内容は結構シリアスな島本さん作品の中でも、ボリュームが薄めなせいか、淡々と読み進めるコトができました。子どもをおろしてしまい、失恋の深いキズを負った「野田」はとあるキッカケから高校時代の友人「キク」とより親しくなります。そんな彼女との付き合いが彼女の家族との出会いに繋がり、彼女の兄「雪生」と話すように。とにかく友人「キク」の存在がステキです。こんな友人、やっぱり一人いるだけで人生、とてもしっかりサポートしてくれるんだろうなと羨ましくなります。浅いようで深い作品に読後感も良かったです。

2020/09/08

黒瀬 木綿希(ゆうき)

終わってしまった恋に蓋を落とし、見ないふりをしてやり過ごす野田は夏休みの間だけ一人暮らしをする事に。そんな時に高校の同級生、キクちゃんと再会し、彼女の家族、取り分け雪生と触れ合うことで心境に変化が- 後のベストセラー『ナラタージュ』を彷彿とさせるような本作は、忘れられない苦い恋の思い出をどうにか昇華させようともがく少女を描いています。恋と呼べば良いのか、執着と呼べば良いのか分からない彼女が真心の愛を知る日が来ることを切に願う。

2020/02/18

青蓮

好きになってはいけない人を好きになってしまった。こんなにも好きなのに貴方に近づけない--短い物語だし、内容も淡々としてるけれど、鮮烈な印象を残す。それは傷跡に似ているかもしれない。引っ掻けば簡単に血を流すような。失恋の傷を癒すのは時間だ。人を愛した記憶が薄れていく切なさもあるけれど、忘却の彼方へ去っていくそれはとても優しいものでもあるのだ。そして周囲の人々との温かな触れあいも傷の痛みを和らげてくれる。傷付いた「わたし」が新しい恋をするまであと一歩。過去の傷を乗り越えることで彼女は強く、大きく成長するだろう

2016/05/27

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