女形 (講談社文庫)
女形 (講談社文庫) / 感想・レビュー
ぶんこ
著者初読みですが面白かったです。 歌舞伎好きには殆ど馴染みの演目があがっていたので、情景が目に浮かぶようでした。 特に歌舞伎の中でも踊りに興味があるので、凄まじいまでの精進や、大学教授が研究対象にしていると場面は興奮しました。 ただ2メートル近い青い眼の青松さんのような人が、歌舞伎の舞台にあがることには違和感を覚えました。 すみれさんの悩み、八代目半四郎と九代目半四郎の悩みが、歌舞伎の世界に生きる人にとっての深さ、辛さを思うとせつなかったです。
2015/11/03
あつひめ
不知火さん初読み。もっと早く読めばよかったと思うほど好み。作品の題材についてとても丁寧に下調べされているし。全体のイメージとして汚らしくないところがよかった。事件の背景にいろいろな問題が二重三重に重なって厚みもあるし。鈴虫寺のお地蔵さん、懐かしくてまた京都に足を運びたくなりました。不知火ワールドの虜になってしまいそうだ。
2011/03/10
Walhalla
歌舞伎の世界を舞台にしたミステリーでした。私は歌舞伎には全く明るくありませんので、登場人物の名前もなかなか覚えられませんでしたが、用語など知る機会にもなって良かったです。家系図などがあればもう少し分かりやすく、私にとってはなお良かったかなと思います。
2023/05/23
crazy cool joe
歌舞伎の世界のミステリーの話。人物が海外物読んでるみたいで分かりづらいけど、話自体とても読みやすいし心理描写が上手いと思う。その割にはこの作者はあまり知られていない。隠れた名作です。面白かった!
2016/01/15
kishikan
半陰陽という性の問題をこのミステリのキーにして、歌舞伎世界の家系問題の事件に挑んだ不知火さん渾身の作品。加えて、京歌舞伎を小説の舞台に選択したことにより、京都の街並みや様々な名所が紹介され、旅好きにもたまらない魅力ある物語になっている。歌舞伎の場面や内容だけをとってみれば、松井今朝子さんの方が専門家なので、ちょっと物足りない感じもするし、文章も思い切ってカットしてしまった方が緊張感のあるミステリになるような気もするけど、2重3重の仕掛けを施した本格ミステリとして、是非お薦めしたい。
2011/07/20
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