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新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫)

新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫)

新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫)

作家
村上龍
出版社
講談社
発売日
2009-07-15
ISBN
9784062764162
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新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫) / 感想・レビュー

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おしゃべりメガネ

スゴい…、スゴすぎる…。とにかく何から何まで‘圧巻’としかいいようのない作品でした。面白い、面白くない、好き、嫌いなど、ただ単純に二分化する評価や感想では全く納まらないと思われます。しいていえば、好きな人は好きで、ココロがシビれ、苦手な人はまず読み進めるのが、かなり困難だろうと。ジャンルもスケールも全てが規格外のこの作品を30年以上も前に書いていた作者さんにはただ、ひたすらひれ伏すばかりです。中盤までは何度も屈しそうになりましたが、凄まじすぎる『狂気』の世界へ、どんどん誘われ、我を忘れてしまう作品でした。

2015/11/19

テンちゃん

『人生は鍵のない閉ざされたコインロッカーの中のようで出口がない!』『心の中で何度叫んでも四方八方壁で塞がれている!』『生まれた時から孤独を味わい!奥深く心の底で溺れている!』『親として子に愛情を注いでこそ子は生きる希望を見い出す!』⇨2人の主人公「( ̄ヘ ̄「キク」と「ハシ」∑(◎◎ノ)ノ「破壊」と「繊細」⇨「感情!」(☆`Д´)「爆発!」⇨『開かれることのない道❢』『幸せとは何か❢』『生きることの意味❢』⇨『コインロッカーに始まり!コインロッカーのような皮肉な人生を歩む❢』傑作作品。☆(⊙.⊙)4.5

2016/02/19

風眠

むかーし、若い頃に読んだとき、途中で挫折した本。読書経験を積み重ね、わりと色々なものに挑戦できるようになった今なら読めるかもしれない・・・と思い再挑戦。なかなかに苦戦したけれど、とりあえず最後まで読み終えることができた。ファンタジーとバイオレンスが交錯する舞台設定、コインロッカーに捨てられ生き延びた二人の少年。暴力や歌にすがらなければ、生きる意義が分からなくなるという二人の不安定な心。コインロッカーに帰りたいという強烈な回帰願望と、無意識、意識、アイデンティティー、心のあやふやさについて考えさせられた。

2015/08/16

Willie the Wildcat

閉鎖性からの脱却。破壊ではなく再生。内外どちらからの作用により”扉”を開くかの苦闘。癒しともなる繋がりは”鼓動”。(暴力は決して肯定できないが)もがき苦しむ中で、道を切り拓こうとする登場人物の行動力がカギ。変化と不変の自問自答も印象的。自他の観点に加えた必要性。象徴がハシとミルクの再会の場面かもしれない。ダチュラである必要は必ずしも無く、生きるエネルギー。±に揺れる中でのプラスの上積み。蛇足ですが、Webで「大学新入生に推薦」されている主旨が読めないなぁ。(汗)

2016/01/22

Hideto-S@仮想書店 月舟書房

暴力と狂気と哀しみが充満する高密度の物語。読んでいくうちに、身体にゆっくりと毒が回っていくような感覚。コインロッカーに棄てられ、生き延びたキクとハシは、同じ里親に引き取られ兄弟として育ちます。やがてキクはワニを飼う美少女アネモネと、ハシは年上のスタイリスト、ニヴァと出会い別々の道を歩みます。歌の才能を開花させながら、コインロッカーの呪縛から逃れられずに壊れていくハシ。切なさを否定し、精神の扉を開く「ダチュラ」で世界を破滅に導こうと邁進するキク。再び二人の人生が交差した時、不思議な清々しさに包まれました。

2014/10/19

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