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しずかな日々 (講談社文庫)

しずかな日々 (講談社文庫)

しずかな日々 (講談社文庫)

作家
椰月美智子
出版社
講談社
発売日
2010-06-15
ISBN
9784062766777
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しずかな日々 (講談社文庫) / 感想・レビュー

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ミカママ

朝っぱらから切ない(多用すると安っぽくなる言葉なので要注意)作品を立て続けに読んでしまい、頭がクラクラしている。主人公は小学5年生、勉強もスポーツもイマイチ、今まで友だちと呼べる存在すらいなかった男の子の、ひと夏の物語。ちょっと毛色が違うのは、すでに大人になった彼の、人生の転機となった「あの夏休み」の回顧録であるっていうこと。この作品を読んで、自分の5年生の夏を回想しない読者はいないだろう。特別なことがあったわけじゃない、当時も、今も、これからも。「人生は劇的ではない。ぼくはこれからも生きていく」

2019/04/20

zero1

鮮烈な輝きを地味な日常の中に放つ、ひと夏の物語。5年生の光輝は目立たない母子家庭の生徒。押野と仲良しになり、野球に誘われ世界が広がる。母親の事情で転校を嫌った彼は祖父と同居。誰にも夏の思い出がある。セミの声と花火、スイカに漬物、プールにラジオ体操。椎野先生の「えがお顔」。祖父と小学生の時間軸の違いとつながり。本書が「夏の庭」(湯本香樹実)と同様に支持されるのは納得。大人は少年時代を思い出すために、小学生は読書感想文にも最適な一冊。野間児童文学賞、坪田譲治文学賞ダブル受賞の名作。読む価値あり!

2019/07/28

❁かな❁

どうしてこんなに胸を打つんだろう。小学5年生の夏休みのお話。光輝の人生のターニングポイントになったあの夏。母子家庭だった光輝がおじいさんと2人で暮らすことになり2人だけの世界が一気に広がる。大切な仲間、初めての野球、ラジオ体操、お泊まり会など色んな経験を優しく瑞々しく描かれていてとても眩しい♪誰もが経験した夏休みの記憶。子供の頃の夏休みの記憶が鮮やかに蘇る*光輝の成長、押野の優しさに感動!普通の出来事でも感動し胸が熱くなる。椰月さん初読みですが素敵ですね♡かけがえのない大切な日々を描いた素晴らしい作品*

2017/05/13

いつでも母さん

タイトル通り静かな、けれど確かな幸せな日々があった。良い余韻にしばし浸る。小学5年の僕「えだいち」が母と離れて祖父の家で暮らした日々のこと。世の中のことも少し分かりかけた自分には母の事が理解出来ない。愛する夫を亡くして何かに縋りたかったのだと大人になった今なら分かる。そして自ら隠居だと言って老人ホームに入った祖父がいい味を出していた。ピカピカに磨かれた柱や縁側、友達・押野との事・・思い出せるあの頃があって今が有るのだなぁ。劇的な事ばかりが人生じゃない。そんな一冊。

2018/11/26

seacalf

母とふたり、控えめに生きてきた少年が、快活な同級生と出会い、 心がほどけていく様、その伸びやかな成長加減に胸がきゅうとなるお話。 この物語の肝は、縁側。なんといっても、縁側。古き良き広い縁側でスイカを食べ、干した布団で昼寝をし、競って雑巾がけをし、星空を眺め、友達と祖父と語らう。なんと羨ましいこと。全然関係ないけれど、押野君のお姉さんが作るデザートがまた郷愁を誘うこと。手作りのババロアなんて、それこそ小学生の時以来食べてないもんなあ、きっと。

2016/08/18

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