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ポトスライムの舟 (講談社文庫)

ポトスライムの舟 (講談社文庫)

ポトスライムの舟 (講談社文庫)

作家
津村記久子
出版社
講談社
発売日
2011-04-15
ISBN
9784062769297
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ポトスライムの舟 (講談社文庫) / 感想・レビュー

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hiro

最近読んだ芥川賞受賞3作品(綿矢さんの『蹴りたい背中』、川上さんの『乳と卵』、『ポトスライムの舟』)を比べてみると、偶然だが作者は関西出身の女性で、それぞれの作品の主人公は、世代、置かれている立場も違うが、不安定な状態にいる女性だということに気がついた。この作品の主人公は、工場勤務の年間手取り163万円の大卒アラサー独身女性ナガセ。年収が低く、仕事を掛け持ちしていて、付き合っている男性もいない、母と同居している主人公と、離婚した大学の同級生のロスジェネ世代の女性の生き方について考えさせられる作品だった。

2012/10/21

風眠

第140回芥川賞受賞作。「低収入・非正規雇用」でも、逞しく生きる姿を描いていることが本当のテーマではないように思う。一年間必死に働いた収入が、世界一周旅行のツアー代金とほぼ同額・・・って、それってどうなの?と、自分の労働価値を見出そうと、考えたり立ち止まったり、納得できる答えを探そうと静かにもがいている姿こそがテーマなのではないかと思う。革命は起こらない、淡々と日常が過ぎてゆくだけ。その先に希望があるように感じたのは、ただの私の願望なのかもしれない。

2012/06/05

ゆか

短編が2つ。どちらも気分爽快な話ではなく、働く事を考えさせられる内容。特に「十二月の窓辺」は理不尽なパワハラにあい、だけど言われても仕方がないと自分自身も責めて追い込んでいき、行き場のない気分が描かれていて、読んでいてしんどくなる。今現在、働いていて職場の環境や人間関係に悩んでいる人にはお勧めしない。絶対に辞めたくなるはず。でも辞めない事が正解なのかどうかは分からない。仕事って人間関係もそうだけど、達成感がないと辛いよね…。難しい。。。

2016/05/22

かみぶくろ

ふだんの日常生活のように、面白くも、面白くなくもなく、淡々と読了していた表題作。だがなんとなく生きることの手応えみたいなものが残るのは、生活の隅々に張り巡らされた愚にもつかないあれこれの表現が的確だからか。日々の思考なんてどうでもいいことが99%だけど、それを言葉として掬い上げるとなかなか良い希望が抽出できるのだなと感じた。「働くこと=生活の維持」の図式から、少し目線を上げただけで顔を出す希望。でも本当の希望はその顔を上げたところにではなく、今、目の前にある生活を愛でることの中にあるんだと勝手に解釈した。

2016/08/05

修一郎

パワハラで視野狭窄に陥ってキリキリと心が削られていく様子がいたたまれない。組織に身を置いて働く人ならば想像できてしまう。声が小さい人に失敗した責任が回ってくるっていうのが組織のキマリ,会社の歯車として機能しようと努めているだけなのに,それがなかなか難儀なことなのだ。第三者的で淡々とした寄り過ぎない文章で,お仕事あるあるの表現が絶妙だ。ポトスライムの面々の後日談があるようなので,次読んでみよう♬

2016/06/13

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