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ロンバルディア遠景 (講談社文庫)

ロンバルディア遠景 (講談社文庫)

ロンバルディア遠景 (講談社文庫)

作家
諏訪哲史
出版社
講談社
発売日
2012-06-15
ISBN
9784062772914
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ロンバルディア遠景 (講談社文庫) / 感想・レビュー

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きょちょ

2作目に続き3作目も辛口の感想です。どこが良くて何が面白いのかさっぱりわからない。「狂気」については、処女作はそこに至るプロセスがあったろうと想像できるが、本作はプロセスなしで最初から「狂気」で生まれている。これは、初めから脳の損傷等がないかぎり納得しがたい。「台風」を「颱風」と書いたり、難解な熟語をこれでもかというほど載せる意味・意義は本作では見出しがたい。イタリアで会った日本女性を、貞操観念があると書いているが、ちゃんちゃらおかしい!作者は小説を書くこと自体に悩んでいるのではなかろうか。 ×××

2017/04/22

スミス市松

人はここまで愛に狂おしくなれるものか。皮膚と肉体、苦痛と快楽、書く者と書かれる者、作者と読者、世界と私。外面/内面の二項対立が無数のオマージュに導かれ幾重にも倒錯的に変奏されるこの変態的世界は虚実皮膜を超越して在って、真なる愛がひたすらに胸を打つ。「明後日に出発する」と別離の言葉を残して井崎の元に届いた仮構なる手紙の束に、夥しい愛の言葉が巣食う悪夢のようなこの小説に、しかし永えなるものが見つかるだろう。何が、とあなたが問うてくれるならば、私としてはこう答える。世界の果てに広がるロンバルディアの遠景が、と。

2019/02/01

ネムル

かつてグランド・ツアーとピクチャレスク趣味において、旅行者は風景を手鏡に切り取って見、また絵画に写しとらせ、さらに庭を模倣造園し、庭園の絵を描かせ、その絵に似た風景を求めて旅をし……という円環のような迷宮を、かつて谷川渥の本で読んだことがある。疥癬、魚の目、爪や毛根へのオブセッションから皮と肉がぐるぐる引っくり返る、または書く者と書かれる者、視る者と視られる者への言及から、その事を思い出した。サド、バタイユ、沼正三等の系譜に連なる文学ポルノと詩という、肉を纏った本作は哄笑を誘うも、凶凶しい香りを放つ。

2016/03/15

どらがあんこ

シニフィアンだけが滑ってゆくスタイルではなく、身を翻しながら言葉を紡いでゆく様子は痛々しくもどこか幸せそうに見える。読むことと忘却をこのように繋いだかと感服する。

2019/01/10

味読太郎

嫌悪を好意的に読んだ。『ロンバルディア遠景』も小説の構造に抗う、あからさまがあって、冒頭からうじうじと嫌悪感を抱いた。そしてそれを稚拙さの演出であると書いてしまう所にも。-詩を言語に留めて閉じ込めてしまうことの醜さ-のような引用、書くことは生を殺すこと、観念と外面。著者は生きる全てが苦であると漂わせながらも、美しい押韻や描写の箇所も書いてみせる。のに、そこで終わらず書くことで汚してしまう。アツシの身体や、自慰、三章を費やす「機械」のような女体。これはまんま構造への喩えであり侮辱であり、世界の果てでもある。

2015/06/18

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