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「ワタクシハ」 (講談社文庫)

「ワタクシハ」 (講談社文庫)

「ワタクシハ」 (講談社文庫)

作家
羽田圭介
出版社
講談社
発売日
2013-01-16
ISBN
9784062774468
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「ワタクシハ」 (講談社文庫) / 感想・レビュー

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ケイ

高校生の時に売れたギタリストは、気が付くと大学三年も後半の一発屋だったシューカツする人となっていった。最初はノリで始まり、なめてかかったすかした感じから、だんだんと真剣に内定をもらうために取り組み、自分の人生そのものを見直していくようになる主人公の変化が、とてもよく描かれている。朝井リョウ「何者」を読んだ時も思ったが、昨今の就職活動は、すスマフォを持っていないと始まらないようだ。常に情報をチェックし、WEBで申込みをし、時には合否までわかってしまう。私ならこのストレスに耐えられず、資格試験に走りそうだ。

2015/09/13

優希

メジャーデビュー経験のあるギタリストの就職活動物語でした。バンドの解散後もギタリストにこだわっていたのに、周囲に流されるように、違和感を感じながら始める就職活動。なかなか内定がでないのは就活をしていれば普通にあることでしょうが、元々名の知れていた人が「平凡な社会人」になることができるかどうかに疑問を感じますが、この点がかつてとのギャップとなって面白いところでした。ノリで始めた就活が、徐々に自分の人生を見つめるようになっていく様子の描き方が見事です。所々の冷静な目線があるのが好印象でした。

2015/09/19

★グラスハート★

2.0 就活の話だったので、朝井氏の「何者」みたいにドロドロ部分が描かれるのかと思ったら、のんびりした雰囲気があった。 高校生でメジャーデビューした太郎が主人公で、一般人として就職戦線に戦いを挑んでいくのだが、思った程、緊張感もなく切羽詰まっていない。 もしかすると私はESも就職活動といえる程のものを経験せず、資格優先的な職種についているから感覚が違うのかもしれないなぁ。 機会があれば、もう一作は読んでみたい。

2017/12/17

巨峰

面白かった。就職活動をテーマとした小説なんだけど、自宅の電話と郵便だけしかなかった自分の頃と比べながら読んだ。あのころも不況だったけど、ぜったい今の方が大変だ。整えられたマニュアルやネットの進歩や情報の氾濫はかならずしも人を生きやすくしないんだなと思った。主人公の青年は高校の頃オーディションでメジャーデビューしたあと大学生活を送っていたんだけど今のギターの技術だけでは食べていけないことに気づいて就職活動をするのだが・・・解説にもあるように真面目な割りにぶれにぶれる主人公の行動に共感した。そんなものさ。

2015/08/19

TAKA

就活の話。途中て挫折しそうになったけどなんとか読みきった。就活の経験がないからでもなく「何者」は面白かったのに、この作品に毒を持った人が存在しないからかな。淡々と就活していくだけで終わりっていうか。採用される側もする側も曖昧な基準なんだということはわかった。やりたい職業からこの際なんでもいいから入りたいに変更せざる得ないなんて夢も希望もあったもんじゃないな。現実は厳しいか。羽田さんの人の観察力は凄そう。

2019/11/16

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