ヴァイブレータ 新装版 (講談社文庫)
ヴァイブレータ 新装版 (講談社文庫) / 感想・レビュー
こばまり
先に観た映画を偏愛するあまり手をこまねいていたのですが、ほぼ原作に忠実だったことが分かりました。よい思い出としては廣木隆一監督にお目に掛かる機会があった際に「大好きですヴァイブレータ」と申し上げたところ、「病んでるな〜キミは」と言われたことです。
2015/10/19
James Hayashi
第120回芥川賞候補(受賞は平野啓一郎の日蝕)。入りづらい出だしとストーリー性は疑問符。しかし無線やトラック業界の専門用語など、あまり多作品では見た事ない言葉や、感情やエッチの表現方法が人に無いものが有り興味深い。読者を選ぶと思うが、個人的には好きである。タイトルの意味するところは?この作品は映画にもなり寺島しのぶ主演。
2019/06/11
ちぇけら
「恋人とセックスするとき、おしゃべりするって感じってあたしは思ってた。体を使ったおしゃべりって。今はもっとダイレクトに、摂取するって感じになってる。粘膜で、ペニスだけじゃなくて彼のすべてに吸い付いて、食べる。膣の粘膜がひっくり返されてそれが体のすべてで表で裏で、とても敏感で臆病なのにとても貪欲。」素敵なリズムが続く物語だった。アルコールと食べ吐きで生きているライターの主人公がコンビニで知り合ったトラック運転手のトラックに乗り込み身体を重ねる。「」つきでしか主体を守れない自分の内側から起こる震えに貫かれた。
2017/09/28
rakim
饒舌が溢れてくると空虚になる。それでも怯えて膝を抱えて閉じこもらないために、内からの言葉を聞き続け、飲み吐き続ける。それを止めてくれたのは「食べたい」と思った男。求め合ったから?空虚だったから?ひたすら肌を重ねる。道連れに走り続ける。村上龍の「オンナ」より赤坂真理の「あたし」の方が女性には共感できるのでは?。これは私だ、と。20世紀の、バブルの過ぎ去った後のデカダンスそのものだと思える一冊。10年以上経過しても鮮烈な再読本。
2018/03/10
しゅえ
映画が大好きで、遅まきながら原作に手を出す。いやあ、すっっっごい読みにくかった。いちいち突っかかってしまってなかなか読み進められないという新鮮な体験。内容どうこう以前に、この作品の(もしくは作者の文章の)リズムと合わなかったんだろうな。
2019/02/04
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