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プールの底に眠る (講談社文庫)

プールの底に眠る (講談社文庫)

プールの底に眠る (講談社文庫)

作家
白河三兎
出版社
講談社
発売日
2013-04-12
ISBN
9784062775021
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プールの底に眠る (講談社文庫) / 感想・レビュー

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❁かな❁

久々に白河三兎さんの作品読みました!白河さんの作品を読むのは4作目。今作でメフィスト賞受賞でデビュー*白河さんらしく青春&切なさ&ミステリーって感じ。13年前の夏に出逢った2人。その儚い7日間を回想する。いくつかの死もあり、セミとイルカ、マザと由利それぞれの関係からも目が離せずどうなるのかなと思いながら一気読み!美少女で年齢より大人びたセミの危うさとイルカの落ち着いた感じは「私を知らないで」を思い出しました。後半色々展開しラストはとても感動しました*うるうるです(;_;)すごく良かったです★新作が楽しみ♪

2015/07/22

相田うえお

★★★★☆18029 イルカとセミの話。って、童話とか幼児書じゃないよ、イルカとセミというのは当時高校生だった青年と中学生女子が二人で呼び合うときの名前なんですよ。とても気持ちを揺すられるストーリーだったなぁ。でも、何処が?と言われても具体的に分からないんです。特に理由も見つからず、ただ漠然と「好きだなぁこういうの...」という気持ちだけが不思議と残っている様な、そんな読了感でした。年齢や男女の別も明かされていない謎の作家さんだけど、読了した4作品すべてよかった〜!というわけで他の作品も気になります。

2018/04/11

文庫フリーク@灯れ松明の火

恋愛小説は大の苦手ですが、さすがメフィスト賞受賞作。留置場で、13年前の夏出逢った少女との7日間を辿る序章「過去へ」からぐいぐい引き込まれる。高校最後の夏、裏山で出逢ったのは煙草を片手に、首にはロープを巻いて木の枝に立つ綺麗な少女。彼女は僕をイルカと呼び、僕は彼女をセミと呼ぶ。大人びた彼女は、実は5歳年下の中1。恋をしないセミと泳げないイルカ。不慮の事故で双子の弟を失った僕・イルカは7日目にセミをも失う。喪失感漂わせ、終章「未来へ」不良妊婦の「今度こそ禁煙!」の叫び。鮮やかに世界が裏返る。セミとの会話は→

2014/07/23

黒瀬 木綿希(ゆうき)

裏山で首にロープを巻き、自殺を図ろうとしていた美少女(セミ)から「私の命をあなたに預ける」と告げられた少年(イルカ)の掛け替えのない七日間を三十路を迎えた主人公が振り返る物語。心を失っていくセミがイルカに遺したかったもの、忌々しい過去を清算したいイルカが救いたかった物・許しを請いたかった物の正体が物悲しく、人知れず共依存関係になっていったのかと考えると遣る瀬無い。巧妙に張り巡らされた伏線の回収も気持ち良く、13年越しの想いが結実した瞬間がただひたすらに眩しかった。

2019/12/13

おかむー

既読の『私を知らないで』と同様の空気感を漂わせつつ、より心を掘り下げたこの作品、これがデビュー作ということに感心。『もうすこしです』。淡々と醒めた主人公・イルカと、美しくも心のからっぽなセミ、前半はセミと由利の対比やイルカの周囲との距離を描いた不思議な雰囲気を見せておいて、イルカの秘めたものにフォーカスがあたる後半、そして終章で抉られるような罪悪感と苦悩に、ほのかに叙述トリックを絡ませて救いのひかりが見えるラストは上質。ただ難をいうなら終盤の苦悩の描写はちょっとばかし理屈っぽく冗長な印象がぬぐえないかな?

2014/04/05

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