西太后秘録 上 近代中国の創始者 (講談社+α文庫)
西太后秘録 上 近代中国の創始者 (講談社+α文庫) / 感想・レビュー
あやの
2019読み初め。上巻は日清戦争まで。悪女のイメージの西太后だが、清国を近代化させた手腕は確かに評価されるものだ(かなりえげつない方法も用いてるけど)。ただ、光緒帝との関係が悪かったことや、日清戦争の肝心な時に浪費してしまったことが残念。名君ではあるが、清の前時代的な伝統からも抜けきれなかったことが後の悪評に繋がってしまったのか。ユンチアンの作品を読んだのは「ワイルドスワン」以来。かなり詳細に書いてある。歴史的な所はちょっと難しかったが、頤和園での生活の所は興味深く読めた。
2019/01/02
田中峰和
宦官たちに残虐な刑罰を与えたことで悪名高いはずの西太后が、本書ではとても良い人。教養はないが地頭がよく、皇室の中心に居座り続ける。その浪費壁は凄まじいとウィキペディアなどでは書かれている。庭園の増改築費用のために海軍増強の戦費横領し日清戦争を敗北に追い込んだ張本人のようにされている。だが、息子の同治帝の早逝で跡目につけた甥の光緒帝と馬が合わず、敵対したのが戦争敗因の真相らしい。光緒帝は学問好きで優等生気質だが、母の西太后とは折り合いが悪く、二人の不仲は著しい。西太后の肩を持ちすぎるのが気にかかる。
2023/03/07
てっちゃん
イメージとは違い、西太后は中国近代化の推進者だったんだね。知らなかったことが多く、なかなか読ませるノンフィクションだ。
2018/08/12
ままごん
私が学校で習った西太后のイメージは全く違い、むしろ「蒼穹の昴」のイメージに近いですね。著者がユン・チアンということもあって、読みやすくてとても信頼できる1冊だと思いました。最初、文庫で読んでいましたが、最初にある写真がわかりにくかったので、図書館に駆け込んで通常サイズで写真部分をガン見してきました。下巻も楽しみです。ところで、著者の代表作「ワイルドスワン」「真説毛沢東」とも中国国内では出版禁止なんだそうで、かなり残念なことだと思いました。
2019/09/02
ぱぴ
慈禧、恭親王、醇親王の印象が違った。 同じ事に焦点を当ててても、いろいろな本を読み、総合的に判断することが大事だなと思わせてくれた一冊。
2022/11/10
感想・レビューをもっと見る