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ゴダールと女たち (講談社現代新書)

ゴダールと女たち (講談社現代新書)

ゴダールと女たち (講談社現代新書)

作家
四方田犬彦
出版社
講談社
発売日
2011-08-18
ISBN
9784062881180
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ゴダールと女たち (講談社現代新書) / 感想・レビュー

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コットン

4人の女性越しの視点でゴダール監督を語る本。ゴダールの作品は何本か観ているが、「日常の全てが演技でありノンセンスな虚構であることの幸福さを謳いあげる」と紹介された『女は女である』が観たくなり鑑賞しました。

2013/01/26

踊る猫

ジャン=リュック・ゴダールと、彼を通り過ぎていった五人の女性の話。ゴダールを知らない人でも安心して読める反面、この著者ならもっと本格的なゴダール論を書けるはずなのでそのあたり痛し痒しといったところ。新書の限界なのか……ジーン・セバーグやアンナ・カリーナのことはある程度知っていたつもりだったのだけれど、その他の女性たちについては全然知らなかったので良い勉強になった。なにより、四方田犬彦がシネフィルに陥りがちな思い入れたっぷりの自分に酔った文章に陥っていないところが良い。だから今度はもっとゴダール論をと期待!

2019/05/11

Y2K☮

ジョン・レノンやデヴィッド・ボウイのアルバム、或いは村上春樹の小説や中邑真輔のプロレスと同様、ゴダールの映画を見ると創作意欲が高ぶる。既成概念の破壊や成功体験を捨てて変化する事を厭わぬ実験精神のおかげ。アンナ・カリーナの明るさよりもアンヌ・ヴィアゼムスキーの妖しさに惹かれる。彼女の書いた小説を読みたい。生涯のパートナーとなったミエヴィルとオノヨーコの対比も興味深い。正反対の様で案外似ている。ジョンとゴダールにそういう対談をして欲しかった。才を枯渇させないのも才能。ケミストリーをもたらす伴侶の役割の大きさ。

2017/11/08

ザフー

なんてこった。この本を開いたらベルモンドが死んじまった。今年91歳になるゴダールよ、狂った時代を生き延びてなんとかもう一発二発カマしてくれ。アイドル・オタク的、もしくは哲学批評的な学者言説に二極化してしまう世にあふるる膨大模糊なゴダール像。しかし一人の男の作品生涯は、女神(ミューズ)=「彼のハマった5人の女」というカーソルで鮮明に彩られる。フラレ続けるという天才的才能の背後に見える、強烈な〈自己変革〉の意志。この大島渚の見抜いた本質を元にして、題を溝口健二『歌麿をめぐる五人の女』に倣って女たちを紐解く。

2021/09/07

ザフー

「80/90年代のゴダール」特集上映で観れたのは結局ランダムに3本『パッション』『マリア』『勝手に逃げろ/人生』。本書4章「アンヌ=マリ・ミエヴィル」を読み後期ゴダールが大きな影響下にあったこの女性と、上3本の連関性を知ることができた。ゴダールの初期の交際は天才女優との各4年ほどだったのに対し、彼女は40年ものあいだ歩みを共にした批判者だった。ファンにとって「謎の女性」とも思われるアンヌはレノン=ヨーコにも対比されるが、ヨーコの自己顕示的な性格とは真逆のキャラ。例えばパレスチナ専門書店に勤めた経歴と知性。

2022/10/07

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