現代小説クロニクル 1995~1999 (講談社文芸文庫)
現代小説クロニクル 1995~1999 (講談社文芸文庫) / 感想・レビュー
読書亀
8短編。角田光代さん以外、初読み作家さんでした。『学校ごっこ』ごっこがごっこではなくなる怖さ。『椿堂』短いが逆に色々想像させる「あの事」。『無情の世界』本当の事はどこなのか?悪い方へはまり込む。
2019/10/22
giant_nobita
目取真俊の「水滴」が特に良かった。沖縄戦の歴史と足が冬瓜のように膨れ上がるという民話的なモチーフを融合させた作品。非現実的なほら話を歴史的な文脈に位置づけ、冷静な観察に基づいた客観的な散文によって綴るところにマジック・リアリズムの影響を感じさせる。また徳正が足の指を兵隊に吸われる場面では、生々しく官能的な描写も使われている。水滴として具象化される抑圧された罪の記憶は癒しの水とも「腐れ水」ともなる。ただそれは物語の結末において命の隠喩とも言える黄色い花を咲かせることで、かすかな希望を感じさせる。
2016/10/10
ハイザワ
『水滴』。戦争の記憶を足の腫瘍を通じて静かに思い出す男と、腫瘍から飛び出た水を使って金儲けに走る男との対比的な構成が話に推進力をもたらしていた。『学校ごっこ』は、どこまでが演技でどこまでが事実なのかという二分法すら曖昧になってしまうような、ネタ・ベタが交錯する瞬間が描かれていた。時代の空気をもろに反映させた小説という感じがした。
2016/12/05
カンナバーレ
柳美里 目当てで読み始めたが、それ以上に面白い作品がたくさんあった。
2016/03/17
しゃけこ
どうしても生まれてしまう、物語と物語のつながり。
2015/07/29
感想・レビューをもっと見る
「川上弘美」の関連作品
「角田光代」の関連作品
「阿部和重」の関連作品
何げなくて恋しい記憶 随筆集 あなたの暮らしを教えてください1 (随筆集 あなたの暮らしを教えてください 1)
- 作家
- 三崎亜記
- 松家仁之
- 木内昇
- 蜂飼耳
- 駒沢敏器
- 山根基世
- 三浦しをん
- 山田太一
- 水内 喜久雄
- 多和田葉子
- 高 史明
- 佐々木美穂
- 野崎歓
- 関川夏央
- 戌井昭人
- 山根一眞
- 池澤夏樹
- 森絵都
- 萩尾望都
- 萩原朔美
- 長嶋有
- 高橋源一郎
- 長島有里枝
- 元村 有希子
- 姫野カオルコ
- 赤坂真理
- 片山健
- 大久保真紀
- 山口未花子
- 増田明美
- 阿部和重
- 寺尾 紗穂
- 川島小鳥
- あさのあつこ
- 片桐はいり
- 秋野暢子
- 前田英樹
- 川内倫子
- 内田春菊
- 平田 明子
- 呉美保
- 那波 かおり
- 辻村深月
- 森田真生
- 砂田麻美
- 大宮エリー
- 温又柔
- 坂本美雨
- ジェーン・スー
- 金井真紀
- 望月衣塑子
- 速水健朗
- 木内みどり
- 新井紀子
- 加藤千恵
- 本名陽子
- 内田樹
- カヒミ・カリィ
- 久保田智子
- サヘル ローズ
- 仲野徹
- 加瀬健太郎
- 山崎ナオコーラ
- イッセー尾形
- 安東量子
- 大竹しのぶ
- 曽我部恵一
- 津野海太郎
- 島田潤一郎
- 俵万智
- 出版社
- 暮しの手帖社
- 発売日
- 2023-03-20
- ISBN
- 9784766002294