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寺山修司全歌集 (講談社学術文庫)

寺山修司全歌集 (講談社学術文庫)

寺山修司全歌集 (講談社学術文庫)

作家
寺山修司
出版社
講談社
発売日
2011-09-15
ISBN
9784062920704
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寺山修司全歌集 (講談社学術文庫) / 感想・レビュー

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kaizen@名古屋de朝活読書会

一つかみほど苜蓿 (うまごやし)うつる水青年の胸は縦に拭くべし #短歌 智恵のみがもたらせる詩を書きためて暖かきかな林檎の空箱 #返歌 アルファルファ紫苜蓿水洗い老年の胸は丸く拭くべし智恵ばかり短歌書きため蜜柑箱計画者(programmer)の一日を出す 以前、栞で仙波龍英が「なんと無節操なやつだろう」「思ったよりましだな」「実は天才だったと認識を改めた」。自分ではやや逆。演劇の神様と仰いでいた。短歌を詠んでいたことを知り、読まずにいた。自分が歌集を出す段になり、短歌でも乗り越えられない壁だと知る。

2016/09/14

HANA

寺山修司というと、なんとなく血と土俗、情念というものを想像していたのだが、この歌集を読んで驚いた。「田園に死す」こそ全編暗い土俗を歌っているものの、それ以外はそのようなものは一切無くどれも短歌というものに対する認識を改されされるようなものばかり。特に「初期歌篇」の青春の痛みが響いてくるような歌の数々は凄い。でも個人的にはやはり「田園に死す」のひたすら不穏な数々の歌が一番好き。特に二つの長歌。

2012/11/10

ぷるいち

歌の中から自分を消すことで、普遍的で、かつ個別の体験を見出したい、ということをこの人は書いているけれど、無私と行かないまでも、その視点は透徹していて一種の客観性を持っている。(この人のほどの才能だと、どうしても歌へ自分が現れる、というのも分かるような)その無私への志向は、口承文学と同じ方面に顔を向けているのは言うまでもない。さらに、この人は近代の人であって、個別的な「魂」という語を知っていて、だからこそ口承文学に近代的な手続きを持ち込み、「魂のある鬼」などのモチーフを作ったのだろう。激烈な歌集だった。

2016/04/27

しゅん

剃刀は故郷を断ち切るために用いられ、空は読むための本はと変わる。引用と剽窃から生まれる感情の強さ。僕にとっては寺山が短歌の基準点になっているので、この歌がどれだけ新鮮だったかよくわからない。ただただよく馴染む。共産党とチェーホフ、あるいはユダへの拘りに太宰と同質のものを感じる。

2019/12/06

Mayuzumi

角川版との違いは『全歌集』を底本としていることである。驚くのは、角川版、全歌集、各原本で歌の並びや編集方法が全く違うことである。「寺山の出発点は編集ではないか」と問う本があったけれど、寺山はロックよりジャズに近いところに己の存在証明を賭けたのである。個人史と大衆史とのアヴァンギャルドな編集のはてにあるのは、作者と読者をつなぐ失われた凍土である。しかし、三十一音のトロイカはその土を踏むことなく、私たち読者を置き去りにしてどこかへ消えてしまう――「北へはしる鉄路に立てば胸いづるトロイカもすぐわれを捨てゆく」

2017/01/11

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