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精霊の王 (講談社学術文庫)

精霊の王 (講談社学術文庫)

精霊の王 (講談社学術文庫)

作家
中沢新一
出版社
講談社
発売日
2018-03-11
ISBN
9784062924788
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精霊の王 (講談社学術文庫) / 感想・レビュー

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tama

図書館本 摩多羅神とは?シリーズ。この著者が一番イヤラシイ。「絶対な自分」が好きなのかな。マハーカーラとくっつけたのは「破壊・創造神」という属性ですか。宿神はスクって言ってて底と書いてるので地の下でもいいの?地の底にいる神?遺体は地に埋めるが?姉姫神をシキジと読み宿神とするなら矢奈比売もそうか?シキジって名前の土地が近くにある。大体ユーラシアといいながらブリテン島辺りしか話題にせず、東アジアの呪い師、アイヌの呪い師という一番近いカミ使いは放置?近くのオクナイ神楽の詞に「しゃくじ」の語見つけた。

2021/04/07

ひつじ

感動した。何も言うまい……今の私がちょうど欲しかったものがあったので満足です。

2021/06/26

ますりん

宿神や石神、佐久神、守宮神等々と表記されるシャグジという神を巡る一大叙事詩。夢みる中沢節はこの本も満開ですが、論点のパースの広さがハンパない。柳田国男「石神問答」折口信夫「翁の発生」からの、金春禅竹「明宿集」と秦河勝伝説を軸に、胞衣をかぶった子供とうつろ舟、天台宗玄旨帰命壇と本覚論、彼方と此方を行き来する翁と、シャグジを祀る猿楽を含めたテクノクラートたち、住吉神社の神々、蛙の背から人の顔が現れた縄文土器まで。個人的にはシャグジに対する信仰の在り方の東日本と西日本での違いのくだりはすばらしく腹落ち。

2021/10/23

トックン

神道以前から日本に住む精霊である「宿神(シュクジン)」は、宮崎駿の「トトロ」ではないか。冒頭の路傍の隅に忘れられた石の話から蹴鞠が空と大地の調和を回復する雨乞い儀式の一環であったという記述は、惹きつけられた。宿神の空間をプラトンのコーラになぞらえ「母性」(過剰な受容性)をそこに見る。日本の政治は権力の正統性・全体性を「宿神」に求めるが故、天皇制(文化、芸能)を維持した。クラインの壺状の繋がりが母性の起源であり差別の温床ともなる氏は一貫して母性を日本文化の根底に据えている印象。

2020/07/08

ダージリン

読もうと思いながら読んでいなかった一冊。中沢新一らしい論考である。金春禅竹の能における翁の捉え方を手掛かりの一つとして、人類古来からの野生の思考に思いを馳せる。昔NHKで中沢新一が折口信夫を語っていく番組があり、世阿弥の娘婿である金春禅竹と折口の共通性として、芸能の起源を精霊への信仰と結びつけたことを話しており、以来気になっていたテーマであったので、楽しんで読むことが出来た。かなり自由自在な書きっぷりも面白い。

2018/06/09

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