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子規、最後の八年 (講談社文庫)

子規、最後の八年 (講談社文庫)

子規、最後の八年 (講談社文庫)

作家
関川夏央
出版社
講談社
発売日
2015-04-15
ISBN
9784062930802
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子規、最後の八年 (講談社文庫) / 感想・レビュー

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はたっぴ

数年前に一読以来、機会があれば…と思っていた作品を再読。正岡子規の晩年の8年間が、膨大な書簡や記録により克明に描かれている。親友の漱石や秋山真之、虚子らのサイドストーリーもボリューム満点。文豪仲間や門人との交わりも漏れずに日記風に記された一冊となっている。尽力した文学の革新のみならず、戦時風景や政治経済に関する記載もあり、子規や漱石が生きた明治の一時代が見えてくる。食いしん坊の子規が、上機嫌で門人達と闇汁会を楽しむ姿が脳に刻み込まれ、創作欲と食欲に支えられて病魔と闘った半生を心から天晴れと思った。

2016/05/21

chanvesa

「子規に『私小説』がきざす方向性がなかったのは、…彼の精神が多忙であったからである。(397頁)」彼の書いたものは、病苦にあっても淡々として、そして食欲旺盛な印象が強いが、妹の律や高浜虚子との関係の変化には身を引き裂かれる苦しみがあったのだろうと伝わる。関川さんは子規のテクストに立体化させる補助線を引いてくれる。そして漱石との関係で、「子規は漱石の『読者』であった。漱石の手紙をむなしく待ち暮らした人であった。ひるがえって考えれば、自分もまた鏡子の手紙を待ちつづけた『読者』であった。(375頁)」が印象的。

2017/08/11

坊っちゃんの時代の前日譚という形にはなりますが、そういう趣向というよりは、これだけ主人公が動けないのでは…ということかも。動けなくても魅力的なのは、子規の人たらし的な性質、言動と共に、現代日本文学が出来上がっていく、韻文も散文も…その数年を切り取って掘り下げていく様に息を呑む。

2017/01/08

駄目男

なんとか読み切ったけど疲れました。それにしても子規の晩年はあまりにも哀しい。絶叫、号泣、正岡子規と言ったところだろうか。「試みに我枕もとに若干の毒薬を置け。而して余が之を飲むか飲まぬかを見よ」。想像を絶する痛みの中でよくも耐えて書き続けたものだと思う。脊椎カリエスとはどのような病気か知らないが読むほどに子規の絶叫が伝わってきそうで辛い。 俳句、短歌、和歌と詳しくない私にはやや難しい本だったが子規、最後の八年の苦痛だけは嫌と言うほど伝わってきた。 願わくば、あと数年の寿命を与えて上げたかったと心から思う。

2015/11/02

よし

一気読みだった。以前 伊集院靜の「ノボさん」を読み、感激したが、再び熱い心で満たされた。「子規、最後の八年」は、病苦との壮絶な闘いの日々であった。漱石との手紙のやりとりはすごい。「僕はもうだめになってしまった。毎日訳もなく号泣しているような次第だ、・・」「倫敦にて子規の訃を聞きて・・手向くべき線香もなくて暮れの秋(漱石)」病床六尺での悲痛な叫び。「誰かこの苦を助けてくれるものはあるまいか・。」子規の介護に献身的にあたった妹・律。臨終の時辞世三句。母八重の「さあ、もう一遍痛いというてお見」言葉も哀しすぎる。

2019/01/09

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