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七緒のために (講談社文庫)

七緒のために (講談社文庫)

七緒のために (講談社文庫)

作家
島本理生
出版社
講談社
発売日
2016-04-15
ISBN
9784062933544
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七緒のために (講談社文庫) / 感想・レビュー

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おしゃべりメガネ

島本さん'らしさ'全開かつ初々しさハツラツ?な作品でした。表題作はとにかく女子ならではなんだろうなぁという内容で、正直私にはハマリこめるほど理解はできませんでした。きっと女性が読むと「わかる」作風なんでしょうが、やはり男性にはちょっと伝わりにくいテーマなのかもしれませんね。もう1つ収録されている『水の花火』は作者さんが高校生でデビューした直後に書いた作品というだけあって、とにかく'若さ'が溢れ出ています。今の島本さんからは、想像もつかないようなフレッシュな作風に、ある意味違う新鮮さを感じ、楽しめました。

2017/11/03

青蓮

読んでいると思春期だったあの頃を懐かしく思い出す。甘い痛みを伴うような、狭くて息苦しい、恋愛関係より遥かに濃密な女同士の友情。そこには労りや優しさもあるけれど、でも憧れや嫉妬、自己顕示欲と言う生々しい醜い感情もあって。虚言癖がある七緒はきっと誰の中にもいるんじゃかいのかな。そうやって誰もが感じやすくて傷付きやすい心を守っていたんだと思います。「誰かを救おうと伸ばした手が、そのまま相手に縋り付いてその首を絞めてしまいそうな、そんな危うさの中で、私たちは生き延びるのに精いっぱいだった。」村田さんの解説も秀逸。

2016/04/20

優希

誰しもが持っている「あの頃」を美しく描いていると思いました。中学生という不安と脆さを抱えた時代の友情は、恋より特別で大切なもののような気がします。だからこそ大切に育てたい。それは人生の全てを染めているような時間を経験しているのだから。純粋な救いを差し伸べたくなりました。みずみずしく、中学生の時間に戻っているような感覚に陥ります。

2017/07/27

りゅう☆

転校した中学校で七緒と出会った雪子。七緒には自分にないものがあり眩しく見えたと思ってたのに…。そんな七緒に振り回されながらも、彼女といることが自分の居場所。BBAの今の私から見たら、さっさと白黒つけちゃえばいいのにとか、その程度なら言えばいいのになんて思うけど、あの頃はその程度じゃないんだよね。ほろ苦い懐かしさを感じた。/草野くんといい雰囲気。仲良しの珠紀が草野くんを大好きだったから彼のことは一緒に見ていた。でももう珠紀はいない。そして知らされた驚きの事実にショック。悩ましいね。それもまた青春の1ページ。

2022/04/29

絹恵

真実が明かされて、悲しくさせてしまうのなら、時として嘘は人を救うこともあると思います。しかし人は、嘘を使って自分を守り、真実を知って誰かの特別な人になりたいと願います。そんな言葉に絡め取られず、全てを受け流す諦めと妥協の姿勢は、大人になるほど勝手に身に付いてしまうものなのかもしれません。それでも痛む心は、信じたい私のために。救いたいあなたのために。あの頃の季節のためにある心。

2016/06/19

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