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妻が椎茸だったころ (講談社文庫)

妻が椎茸だったころ (講談社文庫)

妻が椎茸だったころ (講談社文庫)

作家
中島京子
出版社
講談社
発売日
2016-12-15
ISBN
9784062935500
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妻が椎茸だったころ (講談社文庫) / 感想・レビュー

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ミカママ

読メのTLで気になっていたこちら。タイトルからふざけた内容なのかと危惧していたが、そこは中島さん。冒頭の『リズ・イェセンスカ』から、ギュッと心臓を掴まれた。どれもありそでなさそで、ホワッとしてながらゾクっとさせられる。かなり好みの短編集だった。

2019/10/07

ヴェネツィア

表題作を含めて5つの短篇を収録。この人の短編集は初読。いずれも、ちょっと不思議な感覚のお話。どれも捨てがたいが、しいて1篇をとるなら、やはり表題作の「妻が椎茸だったころ」を選ぶ。大切なものを失くして茫然自失、といった果てに待っていた(あるいは密かに用意されていた)ささやかな幸福、といったしんみりとハートウォーミングな物語。この暖かさは『小さなおうち』に通じるもの。他の4篇はタッチが違うが短編小説としての構成力はなかなかのもの。短篇小説は概ねそうしたものかもしれないが、最後にオチのようなものが置かれるのは⇒

2020/10/31

しんごろ

本のタイトルに惹かれましたね。シュールあり、不思議あり、優しさありの5編からなる短編集ですが、どの短編も優しさがすごく滲みでてる気がします。そして、夢の中にいるような物語ばかりのような感じでもあります。 表題作と『ハクビシンを飼う』が良かったかな。『ラフレシアナ』はクセになる面白さ!でも好き嫌いのでる紙一重の作品かな。中島京子さんの作品はまだ短編しか読んでないから、長編を読んでみたいですね。

2018/03/18

ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中

タイトルに惹かれずっと気になっていた本書。想像していた感じとは違ったけど、なかなか独特の世界観を楽しめた。思っていたよりだいぶ怖いお話たち。 リズ・イェセンスカ、ラフレシアナはなんだか何が正常で何が狂気なのか、自分の固定観念がじわじわ壊れていく感じがぞわぞわ。猿宿に至っては完全にホラー。 一番好きなのは、孤独な叔母の葬儀後不思議な青年と出会う、ハクビシンを飼う。庭に様々な果実を植えてジャムや梅酒にしたり山菜を採って来たりする叔母さんの生活はかなり憧れ。表題作もなんとなく不思議な雰囲気が漂う。→

2018/09/20

しいたけ

亡き妻のレシピ帖にあった謎のメモ「私は椎茸だった」。妻の代わりに行った料理教室でその言葉を告げると先生は、「人は誰でもそうです」と言う。本を置きしばらく考えた。私はいったい何であっただろう。じきに胸にストンと落ちるものに思い至る。おしろい花の種だ。私はおしろい花の種だったことがある。この感覚を、どうして忘れていたのだろう。思っていたよりしっとりと優しい物語だった。そして、私がずっと私だったわけではないことを、そっと耳打ちしてくれた。

2017/11/07

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