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壁の鹿 (講談社文庫)

壁の鹿 (講談社文庫)

壁の鹿 (講談社文庫)

作家
黒木渚
出版社
講談社
発売日
2017-04-14
ISBN
9784062936453
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壁の鹿 (講談社文庫) / 感想・レビュー

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❁かな❁

アーティストであり作家でもある黒木 渚さん。ある日、壁に飾られてる鹿の剥製の声が聞こえる。6章にわかれ登場人物たちは鹿の剥製と話せるようになる。みんな悩んだり孤独だったり苦しんでいる中、鹿の剥製との出逢いで変化していく。あらすじだけでは良さは伝わらないと思うけど1章終わるごとになんかいいって思えてくる♪鹿の剥製には呼び名があり「宮島さん」「ハテナ」「春」が好き♡第6章で涙。山田詠美さんの解説もいい。設定も面白く処女作と思えないぐらい文章も読みやすく私も鹿の剥製に癒された。鹿の剥製と話したいな。 

2019/10/20

ちょん

たまたま、たまたま知り合った知らない作者の本がめちゃくちゃタイプの面白すぎる話だと泣けるほど嬉しい。まさしくそんな出会いだったのこの本❗壁にかけた剥製がしゃべるんですよ。なんだそりゃ?と思うかもですが、何だか泣ける。人のやり取りって何てバカバカしいんでしょって切なくなる。連作短編で、冒頭の話には私のタイプな強い女の子か出てきます、中盤で狂気にかられた女の子が出てくるのですが、なんだかこの子も好きで目が離せない。うーん、鹿好きな私的には大好きな一冊。

2019/10/04

Mayumi Hoshino

壁掛けの剥製の鹿。頭部だけのもので、金持ちの家の書斎にあるような。それと会話が出来るようになってしまった幾人かを描いた連作短編集。最初の二編はハートウォーミングな感じ。三章めで怪しい動きを見せ、五章でまさかの方向に舵がきられる。続く最終章はまた予想もできない着地。章ごとに分けたら違うジャンルになりそうなのに、こんなまとまり方を見せるなんて。面白かった。比喩表現もクールで美しい。

2017/07/10

to boy

著者の黒木さんのことは全然知りませんでしたが、帯につられて購入。独特の感性で面白かった。剥製の鹿と話をする主人公達の短編かと思いきや、後半ではそれぞれが繋がってきてワクワクしてきました。「あぐり」と「夢路」が世俗的なおかしさと、神秘的な恐怖の対比で良いですね。少女タイラも後半の父親との葛藤を乗り越えて希望ある終わり方のようでした。

2017/09/21

kinnov

喋る剥製という不可思議な設定とどこか懐かしい空気感の第一章から物語に引き込まれる。生きるのって難しいし面倒くさいけど、それぞれの方法と価値観で希望を見つけられるのではないかと優しい気持ちになったあたりで、突然に意外な展開へと転調していく。先程までの気持ちの延長線上だけに強烈だけれど理解や共感ができる心情と、そこまでの物語では異質な欲望が、剥製を軸に物語の核として融合していく。鑑に映るのは正だけではなく、邪もまた同じだと。そこを経て物語全体が投げかけるモノをちゃんと受け入れているか、私も剥製に聞いてみたい。

2017/05/10

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