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創作の極意と掟 (講談社文庫)

創作の極意と掟 (講談社文庫)

創作の極意と掟 (講談社文庫)

作家
筒井康隆
出版社
講談社
発売日
2017-07-14
ISBN
9784062936958
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「創作の極意と掟 (講談社文庫)」のおすすめレビュー

訳の分からぬ妙な生物「クラムボン」から始まる物語は正解なのか? 作家生活50年の筒井康隆が教える小説に必要な項目31個

『創作の極意と掟』(筒井康隆/講談社)

 安易な攻略法・手っ取り早い正解に飛びついてしまうのが人間というものである。出版社に勤め、時にライターになる身として、筒井康隆氏の書いた『創作の極意と掟』(講談社)の書名を見て、購入しようと無意識に伸びる手を止めることはできなかった。

 本書には「凄味」に始まり「幸福」に終わる31の文章表現に必須の項目が紹介されている。大江健三郎、宮沢賢治、ガルシア・マルケスなど錚々たる作家の技法を例にあげているが、驚くことにそのほとんどを筒井康隆自身も実際の作品に落とし込んでいるというから、説得力が段違いだ。これをすべて読み実践すれば、僕も素晴らしい偉大な作家の仲間入りになるのではないか……。表紙に書かれた、忍者がその知的好奇心を掻き立てられて渇望するであろう、秘密めいた絵巻物が、僕の脳みそに神秘的な文章術を授けてくれるのではないかという甘美な予感を抱いたのである。

 しかし残念ながら、世界は一問一答にはできていない。文章も然りである。答えのない問題のほうが多く存在するのだ。本書に書かれているのは、「答え」ではなく、「ささやか…

2023/11/17

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創作の極意と掟 (講談社文庫) / 感想・レビュー

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ジョゼ★マイペース出没@アイコン変更

コミュニティにて「ノンフィクションのおすすめ本を教えてください」と投稿した際に教えて頂いた本です。 「小説作法」が解説されているエッセイ。 私は小説は読む専門ですが、とても興味深い項目ばかりで面白かったです。 筒井康隆さんの感性が素晴らしいなと感じました。 「読書の極意と掟」というエッセイもあるので、こちらと合わせて読むのも面白いと思います。 私には少し難しい箇所もありましたが、また時間をおいて再読したいと思いました。 おすすめしてくださりありがとうございました。

2022/05/24

優希

面白かったです。文章表現に必要な項目について語ったエッセイという感じですね。自らの技術を試してきた筒井サンだからこそ語れるのではないでしょうか。「筒井流小説作法」といってもよいかもしれません。

2024/03/23

ω

さすが筒井先生、凄味があった笑  創作の極意と掟を、筒井流に自惚れまくって教えてもらった( ^ω^ ) 先生が様々な著作で「実験」をされてきたのには、書いてみないとどんなものになるか分からないからとのこと。カッチョええ〜♫

2020/09/19

chiseiok

大好物の文章読本小説作法系、今回語り手は巨匠筒井康隆。小説は売れてナンボ、エンタメはもてなしてナンボ、そのためには…的なガチガチのビジネス系技術系ではなく、創作にまつわる様々なキーワードを31個の項目として提示、徒然なるままに語りしエッセイスタイルです。小説創作ってことはもっと自由でもっと楽しくそしてもっとシンドイ(かも知れない)ことなんだ…ていうのが新鮮。まぁ実績のあるこの方だからこそ言える事も多々あるんでしょうけれどw。”意識”の項読んだら、積んである『家族八景』三部作、無性に読みたくなってしまった。

2017/08/21

藤森かつき(Katsuki Fujimori)

切り口が斬新で、愉しく読めるし、読みたい本が増える。プロの作家になろうとしている人、そしてプロの作家すべてを対象とした作家としての遺書だという本書。メモ取りながら読もうと思っていたのに、夢中になって読み進めてしまっていた。そうだよね、と頷くことも多いけれど、そうだったのか! と、焦点の当て方に驚きと納得とが交錯する事柄も多く、わくわくしながら考えさせられた感じ。遠い昔に随分と読んだ筒井さん。久しぶりだけれど、やっぱり面白いなぁ。それと何やら懐かしい思いが溢れた。前に読んだものも含め、また読んでみようかな。

2019/06/22

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