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夜は終わらない(下) (講談社文庫)

夜は終わらない(下) (講談社文庫)

夜は終わらない(下) (講談社文庫)

作家
星野智幸
出版社
講談社
発売日
2018-02-15
ISBN
9784062938143
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夜は終わらない(下) (講談社文庫) / 感想・レビュー

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Sakie

長かった。もう、入れ子構造もアイデンティティーもどうでもええわと思ってしまったが、暴君は物語に引き込まれた。久音に軍配は上がった。きっと、物語の力、語ることの力について書きたかったのだろう。そして画一的なよくできた物語ではなく、自分だけのオリジナルな物語を語る相手がいることの。それは歳を取ったら必要なくなるナイーヴなものかといえばそうではなく、世界にこんなに本が溢れている事実が証左でもある。アマゾンのピダハンだって物語は持っていた。ということは、人間の持つ原始的な希求なのだ。千夜一夜物語も読まないとなあ。

2020/12/17

ちぇけら

混濁した意識のなかで喉がかわいてかわいてかきむしった。闇のなかの光に手をのばした。あなたと、わたしの、甘いきおく。ぼくは、おれは、わたしは、あなたの物語のなかでうまれていきています。あなたが物語をおえたら、わたしもおわって消えてなくなる。わたしには過去がない。記憶がない。わたしはどこにいてどこにいくの?終わらない夜に、物語はあらたな物語をうみ、混沌のなかでしかしわたしはいつのまにか消えていく。物語の登場人物とともに。そして気づくの。わたしは、はじめからいなかったんだ、あなたを、すきだった記憶も、ぜんぶ、

2019/01/23

サウス@大学生活始めました

やっと終わった。凄く疲れました。中弛みした内容からスタートだったので、投げ出したくなった。辛い坂道を登りきると、残るは滑らかな下り坂で読み終えられた。帯にある、死にたくないなら話を聞かせて、のサイコパス小説を思わせるキャッチフレーズに引かれて買ったものの、内容はそんな単純なものではなかったです。正直理解できれないことも多数、広げすぎた風呂敷を回収できてないんでは?とも思いました。

2018/03/11

sputnik|jiu

『俺俺』以来の星野智幸作品。現代の千夜一夜物語、というこの設定だけで既に大勝利感あるが、それだけに胡座をかかず、「劇中劇中劇中劇中劇中・・・」と語りの無限の深奥へとどこまでも潜っていくストイックさが圧巻で、息苦しさや心許なさを伴うこの没入は、読者を「物語られる者」として否応無く規定し、作中に引き摺り込む。そうした語りの構築が一気に崩れ、物語が紙外に溢れ出すかのように感じる結末のカタルシスは、読んだ後の夜の空気を変える程だった。オースターの『オラクル・ストーリー』みたいな、劇中劇クラスタにはたまらない傑作。

2018/04/22

ネムル

後半から作中作中作中…………にドライブがかかる一方で、社会の閉塞感ばかりが重たくなってきて、どうにも飽きる。星野智幸を読むのも三作目だが、社会を問いかける文学の見せ方があわないな。真面目に過ぎるというか。

2023/01/10

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