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羊の木(5) (イブニングKC)

羊の木(5) (イブニングKC)

羊の木(5) (イブニングKC)

作家
いがらしみきお
山上たつひこ
出版社
講談社
発売日
2014-05-23
ISBN
9784063545159
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羊の木(5) (イブニングKC) / 感想・レビュー

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ぐうぐう

『羊の木』完結。御大・山上たつひこの原作をいがらしみきおは、敬愛を込めながら、誠実に描いていく。その敬愛は一方通行ではない。原作側の山上からも、いがらしへの敬愛を感じるのだ。相互の愛を得た物語は、暴力と悪意を撒き散らしながら、希望の明かりを灯すエンディングを迎える。とはいえ、謎は謎のままに、答えを安易に明かすこと愚を二人は犯さない。なぜなら、人とは結局のところ、ミステリアスな存在であるからだ。

2014/06/28

Mayumi Hoshino

<刑期を終えた元受刑者を地方都市へ移住させるという、政府の極秘更正プロジェクトを仰せつかった市長。それを知るのは彼と友人2人のみ。彼らは再犯せずに市民に馴染むのか?そんな素性を知っても、他の市民と分け隔てなく接することができるのか?元受刑者が、最愛の家族と親密になったとしても>そんな「もしも」を描いたマンガの完結編。自分の中の倫理を揺さぶられ、犯罪をせざるをえなかった<業>について考えさせられる。「笑いと恐怖・狂気は紙一重」という言葉をどこかで聞いてけど、これ、まさに。

2015/06/07

そのじつ

シリーズ最終巻。いつのまにか全巻Kindle化されていた!この方が160円くらい安いし、喜んでKindle版購入。元受刑者の受け入れを、住民には秘密で行ってきた魚深市。4巻の異常な憎みあい劇の決着が、思いもよらぬスペクタクルへと発展する。それはこれまで綴られてきた元受刑者の関わった、表沙汰にならない事件の堆積と対称をなし、物語はいつのまにかファンタジーを帯びた語り口へと変貌をとげていた。驚きつつも腑に落ちる展開。のろろ神のような禍つ神の到来と、人間の人生にふりかかる災厄が二重写しになる。

2014/06/15

fukumasagami

「世の中には自分に勝てるヤツと負けるヤツの2種類しかいねぇんだ おめえはず〜〜っと負けるヤツさ」 「負けたっていいさ 居場所があればな 人は居場所があれば生きて行けるもんだ」 「だけど おめえの居場所はここにはねえんだろうよ」

2015/04/12

allite510@Lamb & Wool

元受刑者11人を受け入れた魚深市は、人質を乗せたトラックの暴走、連続放火殺人の同時進行で一見カタストロフを迎えるかのようだが、実際はその2件には、元受刑者たちは直接には関係していない。犯罪行為を続けていた真性の小悪人宮越は、元受刑者たち自身の手により粛清される。一見残酷で醜悪に見えるが、「ほんの少しだけ多くの愛」による「再起」の物語。悪事・悪人・無自覚な害悪・謎の悪意と「悪」のバリエーションが豊かで恐ろしく、気分悪いが面白い。

2018/05/16

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