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大江健三郎全小説 第1巻 (大江健三郎 全小説)

大江健三郎全小説 第1巻 (大江健三郎 全小説)

大江健三郎全小説 第1巻 (大江健三郎 全小説)

作家
大江健三郎
出版社
講談社
発売日
2018-09-12
ISBN
9784065090022
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大江健三郎全小説 第1巻 (大江健三郎 全小説) / 感想・レビュー

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おたま

大江健三郎の最初期の『芽むしり仔撃ち』と『われらの時代』の二長編が収録されており、それらと気になった短編、『石膏マスク』『偽証の時』『人間の羊』『暗い川 おもい櫂』『不意の唖』を読んでみた。『芽むしり仔撃ち』では大変瑞々しい感受性と、少年時代における一種の神話化とを感じる。『われらの時代』では、その時代(1950年代後半)の青年の感性が、世間を逆なでする性的な表現や逸脱する行動を通して、過激に描かれる。短編で核となるテーマを固めていき、それを集約することで長編の物語を組み上げていっているように感じた。

2023/01/05

なお

『芽むしり仔撃ち』を読む。物語全体が夢の中で語られているよう。具体的な地名も主人公の名前さえも明らかにされない。戦時中、感化院(罪を犯した少年達の施設)の少年達はある村に疎開する。しかし、疫病が起こった村に少年達だけを残し、村人は去ってしまう。年長である僕は年下の子らを纏め、子どもだけで暮らして行くのだが…。この物語は主人公も含め差別をされる者が多く登場する。ごく普通の人間的な感情は、彼らの存在そのものを忌む他者によって無きが如くにされる。それは時代性を写した暗示なのだろうか。23歳、東大在学中の著作。

2023/05/25

ここぽぽ

奇妙な仕事から、死者の奢り、他人の足と読み進めて、短編なのだけれど、気が滅入ってしまった。飼育もしんどい。鳩で救いがあるかと思いきや、戦いの今日まで飛ばし読み。描写がねっとりした空気感を孕んで、人の心のモヤモヤした曖昧模糊な部分を、形にしている。悪や正義、白と黒できれいに治まらない世界を、暴力的な衝動を切り取っていて、すごいと思う。元気なときに再挑戦。全部読むのに気合いがいると思う。

2024/01/15

道楽モン

1957〜1959年の作品集。長編『芽むしり仔撃ち』『われらの時代』。東大仏文科の学生が文壇デビューし、芥川賞を経て時代の寵児となるまでが、この最初期の1巻に収められている。GHQ占領下における日本人の状況が色濃く作品に反映されているものが多い。外人相手の娼婦が何度も登場するのは、与えられた民主主義と占領下というアンビバレントな状況下で生きる当時の日本人の象徴だ。60年安保を目前とした学生運動への同時代的な共鳴も繰り返され、初期の短編の総まとめとして『われらの時代』へと結実する。大江健三郎、22〜24歳。

2023/01/23

riko

動物倉庫お気に入り

2023/10/12

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