月に吠えらんねえ(8) (アフタヌーンKC)
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月に吠えらんねえ(8) (アフタヌーンKC) / 感想・レビュー
眠る山猫屋
相変わらず難しい。それは解釈を投げられているから。自分の理解で正しいのか、読み手が試されている。まぁ実はそこが魅力なのだが。さて、今巻では・・・降り積もる朔さん(萩原朔太郎の作品の象徴が擬人化した主人公)の無数の死体、犀さん(室生犀星の作品の…)との別れ。小説街での龍さんとの出逢い。ここへ来て芥川とは!戦争が詩歌や小説に及ぼした苛烈な傷痕。国から強要され、或いは自ら讚美の気持ちを込めてしまった詩歌作者や小説家たちの懊悩と後悔。龍さんは真相に辿り着けるのか。賢治さんの無垢な世界の終焉が悲しい。
2023/02/26
mm
小説街の龍さんが色々な介入で、色々整理されてスッキリしたところが多々。小説には時間が大切な要素だが、詩には必要ない。だから朔くんは時間を巻き戻せる。詩が小説とは別物という観点がいくつも示されていて、納得したなぁ。賢治のユートピアの虚構性も、絵にするとこんなにわかりやすいか。。
2018/03/28
ぐうぐう
「詩歌は整理のつかない嘆きの表現手段として最適です 詩歌ほど多くの死を詠う芸術はないでしょう 詩人が死ねば追悼の詩を贈る 詩人の一部であるはずのそれらが」「消されて いた…?」死と追悼の言葉で溢れているはずの□街には、死は曖昧模糊としてしか存在しない。詩人が定義した死を呪う拓は、しかしその呪いに屈する。愛国詩の問題を解決できぬまま、朔は小説街へと赴き、そこで自死した龍と会う。時間の秩序が希薄だった□街とは違い、時間経過の文学である小説の街では、死が認識されている。(つづく)
2019/08/18
えも
出ました、犀の顔!ところが死を認識できる小説街では犀が消えてしまった▼この回は朔と龍の会話で世界の分析が進んでいく。さすが理知的な龍。そして何だかきな臭いね、釈▼日本の象徴カワバタさんが、そして軍人ミシマもでてきた▼物語が徐々に完結に向けて進んでいるようで、もう既に名残惜しい想いが湧いている8巻。
2018/02/24
かやは
龍くうううううんんんん!なんて素敵なキャラクターなんだ君は!私も龍くんと朔くんと同じくらい犀が大好きだよ!マジで!ずーっとドキドキしながら読んでました。感情がいっぱい。小説の怪物と詩の怪物の御対面。
2018/02/25
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