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大正=歴史の踊り場とは何か 現代の起点を探る (講談社選書メチエ)

大正=歴史の踊り場とは何か 現代の起点を探る (講談社選書メチエ)

大正=歴史の踊り場とは何か 現代の起点を探る (講談社選書メチエ)

作家
鷲田清一
佐々木幹郎
山室信一
渡辺 裕
出版社
講談社
発売日
2018-05-10
ISBN
9784065116395
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大正=歴史の踊り場とは何か 現代の起点を探る (講談社選書メチエ) / 感想・レビュー

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文化的な側面から何かと今と比べられる大正について論じた本。ラッシュアワーや職業婦人、専業主婦等、当時も今と悩みはあまり変わらない模様。関東大震災について「文明のおごり」という面からショックを受ける文化人たちを尻目に「妻子のためには火の勢いが少しでも遅く弱いようにと思うが、一方で『焼けろ焼けろみんな焼けちまえ」と思った」という文章を普通に発表しちまう谷崎、あんたさすがだよ…。前段の取って付けたような妻子への心配が更にえげつねえ。こういう文章を知識人が発表することが許されてたという面が今との違いかなあ。

2018/08/05

gorgeanalogue

『美は乱調にあり』が時代についてほぼ書かれていない、という気がしたので、手にとった。さまざまに「現代の起点」が語られるが、論文の水準にかなりばらつきあり。これは論者の構想力の問題であるとともに、編集の問題だろう。渡辺裕「趣味・娯楽」が面白くない。佐々木幹郎「民衆と詩」、畔上直樹「鎮守の森」は面白いが、徳丸吉彦「ミュージックスに託す夢」は大正について一切触れていない。五十殿利治「観衆」は面白いが、大正新興芸術についてもう少しページを割くべきだろう。

2023/11/25

ポレ

サントリー文化財団のプロジェクト「可能性としての『日本』」の成果をまとめたらしい。率直に言って「可能性としての『日本』」という、もったいぶったプロジェクト名がまず鼻につく(笑)1900年~1930年代を軸にして、著者の研究成果を紹介しているんだが、まあ、まとまりがない。民衆詩派を完膚なきまでに批判する北原白秋とか、応援歌チャイナメ節のルーツとか、おもしろい話もあるのに、これでは埋もれてしまってもったいない。

2018/07/01

yutaro13

鷲田清一編著ということで手にとってみたが、全体的に散漫な印象。興味を持って読めたのは、サラリーマンの誕生と関東大震災への知識人の反応のあたり。「私は、かの大震災の折、自分が助かつたと思つた刹那横浜にある妻子の安否を気遣つたけれども、殆ど同じ瞬間に「しめた、これで東京がよくなるぞ」と云う歓喜が湧いて来るのをら如何ともし難かつたのである。(谷崎潤一郎)」

2018/09/07

わんにゃん

「歴史を構成するのは、実際におこなわれたことと、そこで選択されなかったけれども、他の可能性として現実に考慮され、語られたことだけである」。序文とあとがきと詩壇の解説結構良かったな。

2021/05/20

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