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ノラと雑草(1) (モーニング KC)

ノラと雑草(1) (モーニング KC)

ノラと雑草(1) (モーニング KC)

作家
真造圭伍
出版社
講談社
発売日
2018-11-22
ISBN
9784065136089
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「ノラと雑草(1) (モーニング KC)」のおすすめレビュー

貧困と虐待から逃れるために、女子高生は体を売った――決して他人事ではない、現代社会の闇『ノラと雑草』

『ノラと雑草』(真造圭伍/講談社)

 自身の半径5メートル以内には存在していない、異質のものを見ては、自分には関係のない存在だと目をそらしてしまう人たちがいる。それくらいならば、まだマシな方だ。なかには、過酷な現状に喘いでいる人たちを指差し、「ただ甘えているだけだ」「自己責任だろう」と、上から目線で石を投げつける人たちもいる。その心ない言葉の裏側にあるのは、「自分には関係ない」「自分はそうならない」という慢心ではないだろうか。けれど、本当にそうなのか。

『ノラと雑草』(真造圭伍/講談社)は、近年問題視されている「貧困女子」にスポットをあてた、非常に哀しい物語だ。

 主人公となるのは、刑事の山田。彼はあるとき、違法な性的サービスを売りにするJKリフレの現場にガサ入れをする。そこにいたのは、さまざまな事情から体を売っている女子高生たち。そんななかで、一際目を引いたのが、詩織だった。彼女の目には光がない。この世のすべてに絶望しているかのような、闇に染まった眼差し。そしてなにより、詩織は山田が亡くした娘・こずえにそっくりだったのだ。

 ガサ入れ以降、詩織のこと…

2019/1/13

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ノラと雑草(1) (モーニング KC) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

山口透析鉄

これも電子版の試読より。 作者、巻末に参考文献も挙げていますし、事の本質、当然よく分かって描かれていますね。 アナログ作画っぽい絵柄が殺伐とした作品世界に合いますね。 コミックDAYSでも1巻は読めますね。 貧困問題と自己責任論、社会性のない世間の有象無象の関係等、かなり身に沁みる作品で、身の寄せどころのない詩織さん、このままだと犯罪に巻き込まれるでしょうし、負の連鎖から逃げ出せようにもありませんので……既に全4巻で完結している作品のようでもありますし、続き、やはり読むべき、と感じる作品ですね。

2023/02/04

kanon

こういうのよくあるけど、当人は絶対に悪くない。悪いのは決まって親。大人ってのは勝手である。大人は、こういう作品や事例を読んだり見たりして考えて、子供を育てるとはどういうことか理解することが重要だ。そういうコンテンツを摂取するのも、子供の時代からなのかもしれないけど。

2020/04/22

なつのおすすめあにめ

『The Last of Us』プレイして、すごくよかった関係性。血のつながりのない家族、血のつながりのない親と子。そんな流れを期待するけど。どうなるかな?

2020/08/02

燕(つばめ)

水難事故で亡くした娘を今も後悔する警部補の山田、JKリフレのガサ入れで高一の詩織に娘の面影を見る、家出を繰り返し泊まり歩く詩織に山田は助けようとするが…学生なのに根無し草の生活を送る詩織とオジサンの物語、初回から荒んだ展開に気になる漫画だ。

2019/10/11

らっこ

踏み込んだ違法JKリフレ店で亡くした娘に似た少女と出会う刑事のお話。ただこの少女の母親が怖く特に音だけのシーンはインパクトありました。母親はっきり描かれないけど、どうしてここまで憎んでるのか。刑事は刑事で娘がどうやって亡くなったか描かれますが、想像が止まらなくなり胃が苦しくなってきます。ファミレスで変顔向けてくる少年のリアクションや鳩が飛んでる一枚絵など、何でもない周囲の描き方だけが救いかも。少女がロクでもない目にあいつつ最後は少し安心し、でも逆に転がっていくのが目に見えてる八方塞がり感でいっぱいです。

2022/08/12

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