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スイート・マイホーム

スイート・マイホーム

スイート・マイホーム

作家
神津凛子
出版社
講談社
発売日
2019-01-12
ISBN
9784065141779
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「スイート・マイホーム」のおすすめレビュー

42歳シングルマザー、突然拉致監禁される。平穏をぶち壊すおぞましい転落は、彼女のせいなのか?

『ママ』(神津凛子/講談社)  展開がスリリングでホラー要素もあるサスペンス小説は、筆者の大好物。これまで数多くの作品を手に取りハラハラしてきたが、中でも神津凛子さんのデビュー作『スイート・マイホーム』(講談社)は、読後の印象が心と頭にこびりついて離れない、強烈な作品だった。巷には「イヤミス(いやな気分になるような後味の悪いミステリー)」と呼ばれる系統の小説が多く発表されているが、同作はそれを超えるほどのおぞましさを持った「オゾミス(おぞましいミステリー)」。マイホームという一番安らげるはずの場所が、じわじわと恐怖に侵されていく様から目が離せなくなった。    そんな神津さんの新作『ママ』(講談社)も前作同様に「オゾミス」たる展開と内容になっており、ページを開いた読者はあっという間に恐怖の渦に飲まれてしまいそうだ。

■42歳のシングルマザーが忘れた、ある「罪」とは?

 42歳の後藤成美は、ひとり娘のひかりを育てているシングルマザー。自身の母親は幼い頃、家庭持ちの男と蒸発し、男手ひとつで育ててくれて父親は10年前に他界。天涯孤独となってしまった成美だが…

2020/1/19

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温かいマイホームに現れた「悪魔」の正体に恐れおののく! 史上最恐のおぞましいミステリーとは…

『スイート・マイホーム』(神津凛子/講談社)

 家族の幸せを願って購入する“夢のマイホーム”には希望が詰まっている。しかし、もし“まほうの家”という魅惑的なキャッチコピーが付けられたモデルハウスに出会ってしまったら、命を諦めることになってしまうかもしれない。史上最恐のスリルを感じさせてくれる『スイート・マイホーム』(神津凛子/講談社)は、イヤミス(嫌な気分になるミステリー小説)を超えた、オゾミス(おぞましいミステリー小説)だと評判だ。

■夢のマイホームを手に入れたはずが…

 物語の主人公、長野県で暮らすスポーツインストラクターの清沢賢二は、日常的な厳しい寒さに不満を抱いていた。寒がりな妻・ひとみとかわいい愛娘に暖かく暮らせる家を与えてあげたい…。そう考えた賢二はハウスメーカー「HAホーム」が売っていた、“まほうの家”を購入。1台のエアコンで家中が暖かくなる“まほうの家”は、家族の幸せを紡いでいく場所になるはずだった。だが、実際にはまほうの家に住み始めた途端、賢二たち家族の周りでは不可解な出来事が次々に起こるようになる。

 物語は、ある日賢二のパソコン宛…

2019/4/14

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 読後に余韻が残る小説を知りたい…。そう思っている方におすすめなのが、人間の心の奥にあるドロドロとした感情を巧みに描いたイヤミス小説。イヤミスとは、読んでいて嫌な気分になったり嫌な結末を迎えたりするミステリー小説のこと。そこには綺麗ごとゼロな人間の本質が詰まっている。本稿では時間をかけてじっくり読みたい、おすすめのイヤミス小説をいくつかご紹介! あなたもきっと、ページをめくる手が止まらなくなるはずだ。

■「東電OL殺人事件」をモチーフに! 女の孤独と見栄が詰まったイヤミス小説

『グロテスク』(桐野夏生/文藝春秋)

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2019/4/28

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スイート・マイホーム / 感想・レビュー

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W-G

帯の選考委員のコメントはちょっといいすぎ。いわく「狂気に迫りおおせた」だの「本気でおそろしくなった」だの。オゾミスと、新しい造語で打ち出しただけあって、ホラーを思わせる、不安感を積み上げていくような要素はたしかに多々ある。ただ、だったらホラーでいいし、ミステリに着地するなら、もうちょい、そっち方面の作り込みがあっていいような。主人公と父親、または兄との、過去の書き込みが少なかったり、マイホームに対する執着心みたいなものも、そこまで感じられなかったりで、それらが積み重なって、やや平坦に感じられたのかも。

2019/01/20

starbro

話題のオゾミスということで、読みました。思ったほど怖くありませんでしたが、新人作家としては、リーダビリテイが高く、次回作以降に期待が持てます。理想の家族・家は幻想に過ぎません。 何故か、ダイワハウスのCMを想い出しました。 https://www.youtube.com/watch?v=76SQJXS-BYE

2019/02/17

極寒の長野で家中が暖かい理想的な家を建てた家族に起こる恐すぎる出来事。何となく犯人の目星はつくものの、読んでいると登場人物皆が大体怪しく、疑わしくなっていきあっという間に読了。最後はもう、『あ〜あ』としか言えない結末でした。夢のマイホームを1から建てるのもこれを読むと恐くなってきました。

2020/01/15

kou

これが「イヤミス」を超える「オゾミス」・・・怖すぎる(汗)。そして、後味が悪すぎる。最初はホラーかと思って読んでいたが、やはり一番怖いのは人間ってことなのかな。続きが気になって、読むのが止められなかったけど、寝る前に読んだことは、ちょっと後悔した。しかし、この感覚は癖になりそう・・・次回作も期待したい!!

2019/05/23

夢追人009

理屈抜きの怖さで帯に書かれた「イヤミスを超えた、世にもおぞましいオゾミス誕生」をナイス!と大絶賛したい有望新人女流作家・神津凛子さんの衝撃のデビュー作。狂気に彩られた呪われた家の物語で冷静に考えると家に罪はないと思いつつ確信が揺らぎますし、こんな凄惨な修羅場となった家には二度と住めないでしょうね。主人公には不倫について反省を促したいですが二つの殺人はより大きな悪を止める為の正当な行為と受け止めて、狂わずに生かされている事には意味がありますから、老いた母と崩壊した家族を守って人生をまっとうして欲しいですね。

2019/04/02

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