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魔法を召し上がれ

魔法を召し上がれ

魔法を召し上がれ

作家
瀬名秀明
出版社
講談社
発売日
2019-05-16
ISBN
9784065156094
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「魔法を召し上がれ」のおすすめレビュー

『パラサイト・イヴ』の瀬名秀明最新作は、“すこし・ふしぎ”! 青年マジシャンと、ロボットの物語

『魔法を召し上がれ』(瀬名秀明/講談社)

 読後、「青春時代に読みたかったなあ」と感じる本があるが、瀬名秀明の新刊『魔法を召し上がれ』(講談社)はまさにそれだ。

 物語の年代は、現在から数年後の、とても近い未来に設定されている。

 その頃にはもう「ロボットや人工知能が当たり前に溢れ」ていて、作中には今の私たちにはあまり馴染みないテクノロジーがたくさん出てくる。

 そんな<すこし・ふしぎ>な世界の、海沿いの街に建つレストラン「ハーパーズ」で、テーブル・マジックを披露する青年・ヒカルが本作の主人公だ。

 高校を卒業後、プロ・マジシャンとしての道を歩み始めた彼にとって、来店客がリラックスするほんのひと時を彩る日々は満ち足りたものだった。

 だが、そんな彼の瞼の裏には、いつも忘れられない面影があった。

 同級生だった美波(みなみ)だ。

 彼女は、ヒカルの合図をきっかけに、永遠にこの世から消えてしまった。

 校舎の、窓から。    Boy Meets Girl.

 青春小説の定番で始まった物語は、Girlが早々退場することで、大きな空虚を抱えたまま進んでいくことに…

2019/5/16

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魔法を召し上がれ / 感想・レビュー

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starbro

瀬名 秀明は、新作中心に読んでいる作家です。久々、読みました。本書は、近未来手品師青春幻想譚でした。550頁弱の大作ですが、一気読み、マジックに魅了され、爽やかな読了感です。以前マジック・バーに行ったことはありますが、レストランでテーブルマジックを観たことありません。

2019/07/24

aquamarine

湾岸町のレストランで働く、ある過去を引きずるマジシャン・ヒカル。彼は、伝説的老マジシャンからロボット・ミチルを託されます。読者としてはまずヒカルが繰り出すマジックと駆け引きに魅了されます。特に折り紙を使ったものは圧巻でした。またロボットとは思えないほどのミチルのしぐさや発する言葉一つ一つが身悶えするほどかわいらしく愛しいです。少しずつ変わっていく彼らをじっくりと追いました。人は一人で生きているのではない、色々な人との出会い、積み重ねが人を生かしているということを、改めて感じ取ることができた作品でした。→

2019/06/25

ゆのん

【NetGalley】マジシャンといういわば魔法の様なもので人を驚かせ喜ばせる職業のヒカルと人型ロボットのミチル。近未来が舞台なので科学の発明品が沢山出てくる。それらもまるで魔法のよう。ミステリーだと思いきやどちらかというと喪失と再生の物語のように感じる。これもまたマジックと繋がっているのか。近未来やマジシャンと日常であまり馴染みの無いものが題材のせいか細かい説明が多く総ページ数も重く感じる。全体的に静かで落ち着いた文章は好感が持てるが盛り上がりに欠ける感もある。191

2019/06/13

よむよむ

著者初読み。東京オリンピックも大阪万博も過去となった近未来、レストランで働く二十歳のマジシャン・ヒカルが、縁がありミチルというロボットと暮らし始める。親もいない孤独な日々がミチルとの生活で変わりはじめ、高校時代の友の死が謎めきをプラスする。500ページを超える長編に賛否両論あるようだが、私は読みやすい文体と丁寧に描かれたヒカルの心情に寄り添えて好みだった。最近見かける近未来の話はロボットとの共存が多く取り上げられていて、ロボットと一緒に暮らす日もそう遠くないかもと思えてしまう。

2019/09/29

keroppi

マジックとロボットと料理と。それに、青春の別れと悲しみがブレンドされて「物語」が綴られる。なんとも奇妙な読後感。マジックまで出来て、人と理解し合えるロボットがいるなんて。マジックもロボットも料理も、タネがあり、技術的に作り出されるもののはず。そうやって作り出されたものが、魔法を作り出すという不思議。

2019/08/26

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