月に吠えらんねえ(11) (アフタヌーンKC)
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月に吠えらんねえ(11) (アフタヌーンKC) / 感想・レビュー
ぐうぐう
「翼賛詩を罪科とのみ捉えていては何も進まないのです 戦勝国では愛国心の表明は賛美され続ける 時代により変遷する価値観でしかない 翼賛詩を通して我々が問われるべきは芸術の真髄でしょう」しかし、敗戦国として戦後を生きる人々は、それを許さなかった。なぜ優れた翼賛詩が生まれなかったのか? 近代人の自己とは何か? 日本人の精神性とは? それらの疑問は戦争犯罪の名のもとに廃棄物と認定され、隠蔽されてしまった。(つづく)
2019/10/20
えも
完結!▼日本の近代詩歌とは何だつたのか、そして詩人にとつて愛国心と戦争とは何だつたのか、その答へが、その解釈が、確かにこの作品の中にありました▼しかもそれは論理ではなく、数々の詩歌の心を持つて紡がれ、まるで詩歌に触れた時のやふに、感情を以て心に染み込んできました▼近代詩歌に関心のある全ての人に読んでもらひたい、さふ思ふほどの作品でした
2019/10/12
かやは
現代は詩を必要としていない。詩は歌やアニメ、ゲームや映画、色んなものに溶け込んでいて、個人でも好きに言葉を発信できる世の中だから。誰かが誰かの思想を継いでくれるということもあまりないように思える。近代詩人の代表格ともいえる「朔」を解放したのが詩人であり小説家でもあった「犀」であるというのが、この先の言葉の展開を予期しているようにも思えた。この作品のおかげで「詩」とはなんであるかが少しだけわかったような気がする。最高の作品でした。ありがとうございます。
2019/09/26
シゲミ
月吠えがきっかけで萩原朔太郎に興味を持ち、〝好きだけど作者までは知らなかった「こころ」(テルーの唄のプロトタイプ?)の作者”と知り、運命を感じた。そこから熱を上げていき、とうとう大学の研究対象として選択するまでになった。まさに、この漫画との出会いが運命を変えたといっても過言ではない。――そんな大切な漫画が、とうとう終わってしまった。重い題材に四苦八苦しながら読んだこともあった。それでも最後まで完走できたのは、清家先生の熱量に充てられたせいかもしれない。ああ、語るには文字数が足りない。
2019/09/24
たろさ
今更ながら最終巻。龍くんには死んでほしくないなぁ。「日本語は優しすぎて猛々しいうたは似合わないのよ」『永日礼賛』と『眞如』が並んでるのがよかった。
2020/04/25
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