白い衝動 (講談社文庫)
白い衝動 (講談社文庫) / 感想・レビュー
あさひ@WAKABA NO MIDORI TO...
著者二作目は大藪春彦賞受賞作。凄惨な罪を犯した犯罪者が刑期を終え、もし自分が住む地域に暮らし始めたとしたら、それを受け入れることができるでしょうか。また同じ罪を重ねるかもしれないからと、やはり排除するでしょうか。法に基づく罪は償っても、今のその人の内面は分からないから怖いのです。一度罪を犯してしまったら、二度と社会に受け入れられることはないのか。今まで考えることを避けてきたことかもしれないけど、難しい問題だと思いました。
2021/10/17
H!deking
やっぱり呉さんは面白いですね〜!スクールカウンセラーの主人公と殺人の衝動を相談にきた中学生。過去に猟奇的事件をおこしたが刑期満了して出所してきたサイコパス。人間は他人をどこまで受け入れられるのか?!あなたの近所にサイコパスが住んでたらどうするの?!ざっくり言うとこういう感じのお話です。これまたどこにも感情移入出来ないお話でした。呉さんすっかりくせになってます笑
2023/06/24
ゆいまある
エンタメ作品。スクールカウンセラーが主人公。「人を殺したい」という高校生が現れ、殺したい程酷い事件を起こした犯罪者が現れる。心理職と精神科医の境目がぐちゃぐちゃだし、私的なカウンセリングと公的な精神鑑定の区別もつけていないし、性犯罪は自主規制で細かく報道されないものだし、実名報道された犯罪者は名前変えるから簡単に居場所特定されないし、突っ込みどころしかないが、それはそれ。犯罪者と共存しながら生きていくべき。彼らと我々は変わらないという着眼点は面白いしリーダビリティも高い。ミステリパートがまどろっこしい。
2023/08/15
竹本明
難しかった。大藪春彦賞の文字に惹かれ、読み始めたが・・・難しかった。サイコサスペンス?ミステリー?と思うところもあり、何とか読み切ることはできたが・・・重い内容・・・結末も、いまいちの感じであった。
2019/09/30
くみこ
スクールカウンセラーの千早に会いに来たのは、「殺すべき人間を殺したい」と、激しい殺人衝動を持つ少年でした。そして街には刑期を終えた元凶悪犯が暮らしています。"包摂"を唱える千早ですが、同僚カウンセラーと教師、千早の夫や恩師に先輩、地域住民と被害者・加害者家族に記者。多彩な登場人物は、人は人を許し、受け入れられるのか、という問題に直面します。千早は、カウンセラーとして精神的に不安定過ぎるようにも思えますが、考えさせられる内容でした。千早と夫の関係が気になります。
2020/06/02
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