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いんへるの(1) (KCデラックス)

いんへるの(1) (KCデラックス)

いんへるの(1) (KCデラックス)

作家
カラスヤサトシ
出版社
講談社
発売日
2019-10-23
ISBN
9784065177617
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 ダ・ヴィンチWeb編集部メンバーが、“イマ”読んでほしい本を月にひとり1冊おすすめする企画「今月の推し本」。  良本をみなさんと分かち合いたい! という、熱量の高いブックレビューをお届けします。

”短くて不思議な話”がクセになる『よるのえ』(キューライス/大和書房) 『よるのえ』(キューライス/大和書房)  2匹の猫が船の上で“お星さまの口から注がれる金平糖”を集めた瓶を支えている、可愛くも少し不気味で独創的なイラストにまず目を奪われる。100を超えるカラーイラストそれぞれにショート・ショートが収録され、これまでのキューライス氏の作品とは一線を画す初のイラスト集はとても新鮮。本を開く前から読者に期待を持たせてくれる。

「『ポストの中には郵便局員さんが入っているんだよ』そんなことを同級生の林田が半笑いで言ってる。」という始まりの、くだらないようでちょっとロマンも感じる話。ほとんどが非現実的なイラストなのに、「池袋行きの丸ノ内線に乗って一番端の席に座っていると、前の座席に母と座る幼稚園児くらいの女の子が目に入った。じっと私を見つめて目を離さない」から…

2022/6/19

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いんへるの(1) (KCデラックス) / 感想・レビュー

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HANA

読友さんから紹介された一冊。明治から戦前を舞台とした怪談短編集なのであるが、著者の画風がこの全体的に貧しさを孕んでいたセピア色の時代にまた合うのである。出てくる怪異も表面に出てくるわけではなく、視界の隅をそっと横切るようなものが多い。ただ何が怖いかというとそれによって顕現する人間の心。傷病兵を取り巻く女たちも、後妻に瞋恚の焔を燃やす妻も、気軽に占いをする娘もそのままだときっと平穏な日常を送れたはずなのに、見てしまったが為にその心に地獄が宿る事となっている。立ち現れるのはまさしく『いんへるの』であるなあ。

2022/03/14

こら

主に、明治から昭和前期が舞台のオムニバス怪談集。ただ、怪は人の心にほんの少し影響を与えるか位で、直接威を振るう事は無し。実際描かれるのは、その怪らしきものとの邂逅で表出する人間の心の闇。そういったドロドロとした感情が、非常に時代設定と相まっているのがなんとも嬉しい。突き放す終わり方も、読後もやもやした感情を引き摺らされ、こちらも嬉しい。自分もそうですが、怪が居ても可笑しくないこの様な時代が大好きな方は、もうそれだけで飛び付いてください!

2022/03/10

Vakira

この本の表紙絵 蛸です。この絵に魅かれパラパラと立ち読み。数ページの短編ですが、う~んなんか魅かれる~漫画の蛸の絵とそのストーリー気に入ったので買ってしまう。読んだことない漫画家さん。多分 蛸繋がりだと思うがどこでこの絵を知ったのだろう?読友さんのレビューかなぁ~もう忘却している。昔、幻の月刊漫画誌「ガロ」で読んだ、今では中野「まんだらけ」の社長の古川益蔵さんの画風に似ている。どことなく可愛い絵とおドロおドロストーリーの共存。気に入りました。特に蛸。また描いて欲しい。

2020/08/16

眠る山猫屋

殺伐とした、けれど〝かつて〟通り過ぎてきた『いんへるの』。まだ灯火の光が届かない場所が数多あり、闇がひしひしと近づく音が聞こえてくる夜が間近だった時代。運命に残酷さなど無く、あるがままに受け入れるのが、人の定め。人の心の仄かな灯りは、闇をより一層照らし出すだけ。

2019/12/02

内島菫

第七話「自霊」が一番よかった。自身のどす黒い思いが自身にだけ見せる自分の生霊、けれども、死後は出ない幽霊。他者を気にせず自分の好きなように生きることが、死よりも図々しく果てしなく繰り返される地獄のように見えるのは気のせいではないだろう(生と死が密接でありながらも切り離されているのが唯一の救い)。結局、最も恐ろしいのは、周囲に様々に影響されたとしても、自己への執着だと思わせる怪奇短編集だった。一つ難を言えば、8ページという限られた紙幅にちょっと詰め込みすぎな印象。

2019/10/27

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