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近いはずの人 (講談社文庫)

近いはずの人 (講談社文庫)

近いはずの人 (講談社文庫)

作家
小野寺史宜
出版社
講談社
発売日
2020-01-15
ISBN
9784065181058
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近いはずの人 (講談社文庫) / 感想・レビュー

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aoringo

不慮の事故で妻を亡くした男。彼女の秘密を知るために携帯のロックを解除しようとする、そして...妻を喪失してからの再生の話。これはやり切れないなあ...主人公も含めて出てくる人達が程よく毒を含んでいる。だから余計に辛い話だなと思ってしまう。元からの性格もあるのだろうけど彼を見ていると若いのだからいくらでもやり直せるよとはとても言えない。でもそれでも明日は必ずやってくると信じて前に進んでいって欲しい。タイトルにもあるように近くにいる人のことをどれだけわかっているのか、少し考えさせられる内容でした。

2022/04/03

ふじさん

突然の交通事故で妻の絵美を失ない、喪失感から抜け出せない夫の俊英。残された携帯電話のロックを解こうと携帯を打ち続ける、遂にロックが解け、8という男と交わしたメールを見つける。見つけたメールをきっかけに、自分の一番近くにいたと思っていた彼女の足跡を辿るうちに、怒りや哀しみとは違う感情が生まれる。彼女との過去から抜け出し、残された俊英は、再起できるのか。

2021/03/15

小説を最初に書いた人にありがとう

初読みの作家さん。行きつけの本屋で推してたので手に取る。旅行に出た奥さんを突然の交通事故で亡くした夫の話。妻が残した携帯電話のロックを解くために4桁の数字を頭から打ち込んでいく。開いたメールで他の男と旅行に出た証拠を見つけてしまい、その相手を探しながら死んだ妻と向き合う辛い話。主人公の夫目線で進んでいくが終始沈んだ心持ちの表現に読んでいて同化してしまう。よくわかっているはずの人すら理解できていないのではと自戒できたが、帯にある感動には至らず残念。

2022/07/05

M

誰ひとり煮え切らない。妻の死関係なくもともと覇気のない男なんだろうなこの俊英って。帯の『313ページのひとことに感動する』とあるのに気づいて再見したけど、まさかこれのこと?っていう。むしろ最初そこ読んだとき明確な違和感しかなかった。読者がそんな風に感情移入できるシーンがどこにあるのか教えてほしいくらい。独りよがり過ぎ。ストーリーに直接関係ない福田だけかな面白い人柄の人。

2020/03/28

dr2006

虚構だとしても鋭い苦味を感じる作品。だけど全然嫌いじゃない。交通事故で最愛の妻を失った主人公北野俊英の苦悩の一年間を描く。生きていく上でどうしても許せないことが起きることがあるだろう。ただ、許せなくてもそれを受け入れないと、前へ進めないというのも確かだ。一方、事実は何でも知らせなければならないのだろうか。知らなかった方が良いか、逆に絶対に知るべきかは、その事実を差し置いてもなお、事実を持つ人と相手との関係性に依るのかもしれない。それがどんなに近い人であったとしても…。小野寺さんの作品をもっと沢山読みたい。

2023/07/23

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