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法廷遊戯

法廷遊戯

法廷遊戯

作家
五十嵐律人
出版社
講談社
発売日
2020-07-15
ISBN
9784065184479
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「法廷遊戯」のおすすめレビュー

制裁と救済の意味を問う――第62回メフィスト賞受賞! 現役司法修習生が描く衝撃のリーガルミステリー『法廷遊戯』

『法廷遊戯』(五十嵐律人/講談社)

 罪のない“無辜”の者が罰を受けたとき、それを救済する道はあるのか。また、罰を与えてしまった者が払うべき代償とは――。

 第62回メフィスト賞を受賞した五十嵐律人のデビュー作『法廷遊戯』(講談社)は、自らの罪と罰、裁きと報いに向き合う若者たちを描いた長編リーガルミステリーだ。

 物語の語り手となるのは、法曹の道を目指してロースクールに通う久我清義(くがきよよし)。彼が通うロースクールでは、時折「無辜(むこ)ゲーム」と呼ばれる裁判を模した変わった遊びが開催されていた。このゲームはロースクール生たちの間で、ある種の私的制裁を許容するやや物騒な内容になっている。

 ゲームを仕掛ける“加害者”は、ターゲットとなる“被害者”に対して刑罰法規に反する罪を犯して天秤のサインを残す。ゲームを受ける被害者が、“審判者”に告訴すれば、無辜ゲームは開催される。被害者は“告訴者”として証拠や証言を開示し、最後に犯人を指定。その指定した人物が犯人だと審判者が判断したら、犯人は“同害報復”の論理に従ってゲームを仕掛けたときの加害と同等の罰を受ける…

2020/7/14

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法廷遊戯 / 感想・レビュー

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starbro

第62回メフィスト賞受賞作、「ミステリが読みたい!」2021年版国内篇3位&新人賞受賞& 「このミステリーがすごい!」2021年版国内編3位&「週刊文春」ミステリーベスト10国内部門4位& 「2021本格ミステリ・ベスト10」国内ランキング9位ということで読みました。デビュー作とは思えないレベルの高さと面白さ、一気読みしました。但し、タイトルは、『無辜の制裁』の方が良かったような気がします。すかさず、次回作『不可逆少年』を図書館に予約しました。 https://houtei.kodansha.co.jp/

2021/02/05

パトラッシュ

法の正義を目指す若者たち法を執行する立場になったら、隠していた過去の罪から法律の矛盾に絡めとられていく。冒頭の「無辜ゲーム」が後半の事件に結びつくなど物語としては面白いし法的な矛盾もないのだろうが、法廷ミステリによくある「読者の知らない法が突然出てくる」展開を使っているのが残念。登場人物が法律家としては優秀でも人としての生き方が下手な司法関係者ばかりのため法的議論で物語が終始し、法律の素養がないと理解が難しい部分もあるなど小説を書くテクニックが不足のようだ。よい鉱脈を掘り当てているので、今後に期待したい。

2021/10/26

kou

自身が弁護士になったと錯覚するくらい読み応えのある一冊だった。あと、少し裁判に詳しくなったかな(笑)。登場人物達も個性豊かだったし、シリーズ化してもらいたかったな。著者の次回作も決まっているみたいなので、今から楽しみでしかたない。

2020/10/22

うっちー

これはgood!和久峻三氏以来の法廷ミステリ。

2020/08/18

夢追人009

五十嵐律人さんのデビュー作の青春法廷ミステリーの力作ですね。本書を読み終えて複雑な思いに駆られましてとても一言では言えませんが、とにかく良かったですね。読む前は古いですがペリー・メイスンのような法廷エンタメ系ミステリを想像していましたが実際は全く違いましたね。この物語の主人公の綽名がセイギこと久我清義(きよよし)の正義感が胸に強く突き刺さりましたね。本書には終盤に向けて二転三転するどんでん返しの派手な法廷ミステリーの面白さがありますが、でも決してそれだけでは終わらず、勝利とは裏腹な苦い思いも込み上げます。

2022/06/21

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