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春、死なん

春、死なん

春、死なん

作家
紗倉まな
出版社
講談社
発売日
2020-02-27
ISBN
9784065185995
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「高齢者の性、母親の性。タブー視されているものに挑戦した」紗倉まな、待望の新作『春、死なん』で見せる新境地

 現役のAV女優として第一線で活躍しながらも、作家としての快進撃を続ける紗倉まなさんが、待望の第3作目となる小説『春、死なん』(講談社)を上梓した。

 紗倉さんが作家としてデビューしたのは、2016年2月のこと。『最低。』と題した作品で、自身も所属するアダルト業界を舞台に、性と向き合う人々の姿を詩的な文章で瑞々しく綴った。同作の評価は高く、2017年11月には実写映画化もされ、話題を集めた。

 続く第2作目は2017年3月に発表した『凹凸』。母と娘、そして父との関係を軸にした物語は、チャレンジングな構成が光り、紗倉さんの作家性の鋭さを世に知らしめたと言えるだろう。

 そして、今回の『春、死なん』でも紗倉さんの進化は止まらない。70歳の高齢男性を主人公に据え、孤独な老人が性と向き合う姿を真摯に描いている。また、同時収録されている「ははばなれ」では、“母親の性”に言及した。老人の性と母親の性。多様な意見が尊重されつつある現代においても、これらはまだまだタブー視されがちな話題だ。紗倉さんはなぜ、敢えてそこに切り込もうと思ったのか。先日開催された『春、死なん…

2020/3/3

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春、死なん / 感想・レビュー

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ミカママ

TLで気になっていた作家さんの作品を、やっと読めた。「老い」それは誰もが通る道。なのに今までその実情に触れた作品は少なかった気がする。それをまだ20代の見目麗しい女性が書いたとは。ちまたではこの作品の焦点は老いの「性」だと言われているけれども、彼女が描きたかったのはむしろ老いの「寂しさ」や「先行きへの不安」ではないか。人間関係、体力や健康、はたまた経済力なんかも削ぎ落とされた世代になったときの自分、せめて慈しむ存在と寄り添っていたい。

2020/11/08

よつば

「春、死なん」「ははばなれ」老人の性と母の性を描いた2篇収録。雰囲気的には、女による女のためのR-18文学賞を思わせる様な作品。著者は1993年生まれの若い作家さんだが、老人の性を扱った濃密なテーマを瑞々しいタッチで描いていて惹きつけられる。表題作の主人公は、妻に先立たれ、息子夫婦と二世帯住宅で暮らしている70歳の富雄。コンビニでDVD付きのアダルト雑誌を購入する富雄には、夫だとか父親だとか言う前に、一人の男としての存在を感じる。老いが纏わりつき、死へ近づいているからこそ性に執着する人間の本能を感じた。

2020/03/29

じいじ@衣替え・減量中。

著者への身勝手な先入観から、もっとエロくて官能的な色彩の物語を想像していました。これは、とても文学的な小説です。著者の紗倉さんは、19歳でAVデビュー、今まだ27歳の現役人気女優です。〈天は二物を与えず〉と言う言葉があるが、この作者は幼顔な容姿端麗に加えて、文才にも恵まれています。さて、妻を亡くし、独り身の老人の性への欲望を描いた表題作は、彼女の鋭い観察力と描写力が行き届いていて、面白かった。齢80を間近にしての私は「灰になるまで…」の気力だけは持ち続けていきたい、と思った。

2020/09/05

えちぜんや よーた

「春、死なん」の方は「老いと性」がテーマ。感想をラーメンに例えると「あっさり塩スープ」という感じかな。性描写はそれほど濃くはない。紗倉さんは「性」をテーマとした小説を書かなくても、それなりに売れると思う。老若男女あらゆる方面の受けを狙うというよりは、同世代の同性(20代後半の女性)の心理描写や日常生活をよく観察した小説を書いて欲しい。その中にたまに性やSEXのことが書かれているスタイルの方がより文才を発揮できると思う。

2020/04/15

なゆ

実はなんとなくレビューを書きあぐねていた一冊。表題作は高齢者の性を、『ははばなれ』は母親の性を軸に家族のありようが書かれているようだ。おじいさんだって母親だって、その役割とは別に男であり女である、と。そのことは一般論としては理解できても、肉親に対しては考えないようにしてるような。だからかな、読んでても居心地悪い感じがしてしまう。『春、死なん』の妻亡きあと孤独な二世帯住宅暮らしの富雄70歳の、妻の喜美代にあまり寄り添えてない感じとか、『ははばなれ』の帝王切開跡に対する夫と息子の反応とか、冷たさばかり残った。

2020/11/27

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