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魚喃キリコ 作品解説集

魚喃キリコ 作品解説集

魚喃キリコ 作品解説集

作家
魚喃キリコ
出版社
東京ニュース通信社
発売日
2020-04-02
ISBN
9784065196724
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魚喃キリコ 作品解説集 / 感想・レビュー

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ぐうぐう

過去作の新装版刊行を機に、魚喃キリコが自作を振り返り語る。改めて本人の口から語られると、彼女の漫画のほとんどが実体験を元に描かれていることを再確認させられた。なので、自作を振り返る行為は、自身の半生を振り返る行為となる。「感情のこもった漫画を描くためにわざわざ辛いことに首を突っ込んだり、とことんバカをやったり、自分を痛めつける」それだけ体験に依存しながら、しかし彼女はこうも言う。「あたしは実在の人が言ったことを漫画で使ったことが、おそらくないはずです」と。(つづく)

2020/04/07

Bo-he-mian

岡崎京子の不在を補うように'90年代半ばに登場した魚喃キリコは、自分にとって間違いなく特別な存在だった。画力のみならず、その生々しいばかりの感情描写と表現力は当時としても群を抜いていて、某映画監督が「これは敵わないなぁ」と言っていたのに深く頷いたものだった。それほど彼女の作品は漫画という表現媒体すら越境したオンリーワンの輝きがあった。しかし2000年代の後半頃には寡作になり、いつの間にか「消えた漫画家」になっていた。そのナナナンが10年以上の沈黙を破り、作品と漫画家人生を振り返り自ら語った本である。

2020/04/26

Shimaneko

こんなに饒舌な人だったんだね、という素朴な驚きを覚えつつ、「やり切ったから」とスパッと次へシフトする潔さは、本人の描いたキャラともかぶって素敵。イラストレーター志望とかじゃなく、最初から漫画が描きたかったってのは割と意外。編集者のセンスによる力も大と思われる作家なので、育ての親的な担当が高野文子の夫君と知り納得。その高野文子との対談(2002年ユリイカの特集)も興味深く、「漫画なんてあぶく」という言葉は、看護師というキャリアを持ちながら唯一無二の傑作を世に送り続けてきた高野御大ならではと思われ。。。

2020/07/24

RYOyan

本当に描くこと全てが実体験から吐き出されていたのだなぁ。大胆な構成でぐっと引き込まれる作品の数々。そのカットひとつひとつに込められた細かな意図が見えてくると、漫画表現の奥深さにハッとさせられた。あの線が全てを語っているのだなぁー。

2020/07/05

えろこ

にわかファンだから知らなかったのだけど、もう引退していたのか!我が子のように作品を愛おしんでいるのがひしひしと伝わって来たのだけど、それも納得。話がリアルすぎて、言葉や感情に切迫したものがあるのも納得。どれも実体験ベースだったのですね…。どれほど心をすり減らしたことか…。シンプルで無駄のない文や作画の中に、思わず唸ってしまうような、心憎い細工が随所に仕掛けられていると知り、「初見で発見したかった!」と悔しくも感動しました。去年1年かけて少しずつ買って読んだ復刻版、また読み返そうかな。

2024/01/17

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