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竜と流木 (講談社文庫)

竜と流木 (講談社文庫)

竜と流木 (講談社文庫)

作家
篠田節子
出版社
講談社
発売日
2020-07-15
ISBN
9784065201138
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竜と流木 (講談社文庫) / 感想・レビュー

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えみ

自然界のタブーを犯すことがどれだけ生命の犠牲を出すか…この一冊を読むことで、人間の愚かなエゴを改めて痛感することとなった。それは神から与えられたパンドラの箱。決して開けてはならない。何故ならそこには悪魔が閉じ込められているのだから…。かつて水の守り神として可愛がられた両生類「ウアブ」が、細菌振り撒く黒い悪魔に変化して傲慢な我ら人間たちへと警鐘を鳴らすバイオミステリー。「危険だから駆除をする」とはやはり人間のエゴに過ぎない。生態系を弄り、それを人が管理できると思っていたうぬぼれに恐怖と寒気を感じてしまった。

2020/08/03

えみちゃん

初読みの作家さん♪以前から気になっていた「竜と流木」がやっと文庫化されたのでさっそくってことで読み始めたワケですが・・。水の守り神と称され現地の子供たちに愛される「ウアブ」がインフラ開発のあおりを受け絶滅の危機にさらされる。それを回避しようと人工的に作られた地上の楽園「ココスタウン」の池に「ウアブ」を放すワケですが・・。ある日、池に大量死のウアブが浮き上がったのを境に正体不明の黒いトカゲ⁉もどきがあちこちで目撃されやがてヒトが襲われ被害がでるワケですが・・。正直なところ黒い悪魔の正体はわりと早い時点で

2020/08/14

Nao Funasoko

好物なジャンルであるネイチャーパニック物。生態系というのは全てが微妙に複雑に繋がっているのだなというお話。 「南洋群島統治総論」や「日本棄民誌」といった小道具の登場にどことなくパラオ熱帯生物研究所の影を感じてしまう。 エンターテインメントとして十分楽しめた。

2020/07/20

ちゃま坊

昔、猫に咬まれて猫ひっかき病になったことがある。あの頃は病原菌がまだ判明していなかったので、大きな病院でもわからなかった。動物が関与する恐い病気をいろいろ再考する。動物愛護で見ると保護だが、数が増えて人への被害が増えると駆除の声があがる。絶滅危惧種とか愛護動物とか害獣とか勝手に決めているのは人間。その線引きはあいまいだから論争になる。人間というのは実に勝手な動物だ。

2022/09/01

Y.yamabuki

主テーマは、バイオミステリー。〈何が自然で何が不自然か...何が外来種で何が在来種であるかということも、定かでない。生き物に悪玉も善玉もなく、ただ人との利害関係があるだけだ〉環境を守るって何?と考えさせられた。 他にも、ストーリーと絡めて社会問題や親子関係が提示されているが、深入りせず、エンターテイメントの域を守っている。そしてヒーローの活躍やチームワークの勝利というのもない。濃縮した純粋のミステリーとして楽しめた。

2020/09/07

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