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海蝶

海蝶

海蝶

作家
吉川英梨
出版社
講談社
発売日
2020-09-03
ISBN
9784065207758
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海蝶 / 感想・レビュー

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absinthe

面白かった!色々なテーマがてんこ盛りだが上手く纏まり、感動した。横浜海上保安部の潜水士、通称「海猿」の女性潜水士の活躍。女性の社会進出、危険な職場、家族愛、大災害、海難事故、怪しい裏のある事件。どれも惹かれるテーマだしキャラクタも良かった。ボンベの重みや視界の悪さ、息苦しさに浮遊感。水中の描写はリアルでドラマも良かった。海のことは良くこれだけ調べたと思う。シリーズ化してほしい。冒頭でキャラクタに欠けていた所が最後で埋まるというドラマの基本に愚直な程素直な作品。

2020/11/19

いつでも母さん

面白い!海猿の女性版その名も『海蝶』ベテラン潜水士の父親・正義と特殊救難隊の兄・仁がいる愛。震災で母を喪って自分も女性初の潜水士の道を進む。が、母の手を離したトラウマがいざの時に愛を襲う。父・兄それぞれもまた、心に抱えてる家族を想う気持ちが痛いほど伝わる。海上保安庁のお仕事小説でもあって、知らなかった(知ろうとしなかった)厳しい現実をも垣間見る。「生きてる人と接する仕事だけが、尊いのか」愛のバディでもある八潮の言葉が刺さる。愛の家族の葛藤と命がけで海に対峙する皆に胸が熱くなる。お薦めです。

2020/10/01

しんたろー

「ビックリした!」が読み終わった後の良い意味での感想…吉川さん作品は『13階』シリーズしか読んでいなかったので「ドロドロ系サスペンス」のイメージが強かったから(笑)。正に『海猿』の主役を若い女性にした「お仕事」小説だが、 家族ドラマをど真ん中に据えて熱く熱く描いている。本家と同様に目に浮かぶ格好良さと未熟ゆえの失敗を織り交ぜて、強弱を付けた展開は巧いし、東日本大震災を絡めてあるのも必然に感じる。終盤のアクションも手に汗握った!魅力的な主人公一家、お約束のチームものらしいキャラたちも良く、シリーズ化を願う。

2021/01/30

utinopoti27

数多の海上保安官の中から、ほんの一握りしか選ばれないという潜水士。海猿と呼ばれるそんなエキスパート集団に、一人の女性が加わることに。命名【海蝶】。これは、女性初の海保潜水士・忍海愛の成長と、家族の再生を描く作品だ。一歩誤れば生死に直結する過酷な任務と責任の重さに、押しつぶされそうになる彼女の心情が実に痛々しく伝わってくる。難事件が勃発する中盤以降のスリルフルな展開に、思わず息をのまされ、そして熱い感動が待つラストへとなだれ込む。『十三階』、『ハラマキ』に続く新シリーズの幕開けは、愛と絆の物語だった。

2021/09/28

黒瀬 木綿希(ゆうき)

初の女性潜水士、忍海愛(おしみ あい) は父と兄までも潜水士であり、世間から潜水一家として注目され、呉での訓練を終えて華麗にデビュー……とはいかず。危険と隣り合わせの仕事では現場の男連中に気を使わせるばかり。それでも愛は海で戦わなければならない理由がある。海猿の女性版とも言うべきお仕事小説だが、東日本大震災を契機に壊れつつあった家族愛に触れたスペクタクル。バディである八潮さんや「女に潜水士が務まるか」と身を案ずるあまり愛に厳しく当たる内灘さんなど味のあるる人物が多く、人間ドラマとしても大変楽しめました。

2020/11/19

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