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密やかな結晶 新装版 (講談社文庫)

密やかな結晶 新装版 (講談社文庫)

密やかな結晶 新装版 (講談社文庫)

作家
小川洋子
出版社
講談社
発売日
2020-12-15
ISBN
9784065214640
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密やかな結晶 新装版 (講談社文庫) / 感想・レビュー

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fwhd8325

1999年の作品です。出版時にはまだ3.11も起きていませんし、コロナも発生していません。時代を先取りしていたというありきたりの言葉で語ってはいけないように思います。人が大切にしているものを突き詰めた結果が、この物語なんだと思います。戦時下の圧政のような恐怖を感じながらも、どこか童話の世界のような温もりも感じていました。小説という表現は、凄いなと感じます。

2021/01/28

ムッネニーク

53冊目『密やかな結晶 新装版』(小川洋子 著、2020年12月、講談社) 世界で最も権威ある文学賞の一つであるブッカー国際賞において、日本文学史上初めて最終候補に残った作品。 小川洋子らしい、美しく透明感のある文章が、「消滅」という題材をより一層際立たせている。 暗澹たる物語ではあるが、読後感は爽やか。これは「消滅」と「統制」により浮かび上がる「決して消失し得ないもの」の存在が強い輝きを放っているからだろう。 「たとえ消滅がやってこなくても、こうしていろいろなものが静かに消えていくのだ。」

2021/06/10

東谷くまみ

静かで丁寧な描写、そして漂う不穏な空気から感じるのは灰色。灰色の中、幸せな記憶を留めるものの色が鮮やかなことが胸を打つ。空色のミトン、3人で祝った心尽くしのパーティー、3切れのホットケーキ。その島では大切な記憶と共に様々なものが消滅していく。奪われる事を受け入れ、抗うこともなくただ黙々と従う人たちを見るのは不気味で、その何も見えていないだろう瞳に不安をかきたてられた。R氏と共に過ごした時間はわたしに変化を与えたのだろうか。心の自由だけは誰にも奪われてはいけないのだ、と小川さんに言われたような気がした。

2021/06/23

小夜風

【所蔵】3.11もコロナ禍も経験していないのにこの話を書いた小川さんって凄い…。記憶が少しずつ消滅していく世界。消滅したものを人々は嘆くでもなく悲しむでもなく徹底的に排除して受け入れていく。そんな中で記憶を失わない少数の人たちは秘密警察によって記憶狩りされていく。まるでナチスのユダヤ人迫害そのものでとても怖いのだけど、大切な物を全て失って最後に何が残るのか…抗わず受け入れるだけの人たち(その他大勢の私たち)には罪は無いのか…。今当たり前にある日常がとても愛おしく、いつまでも大切に守りたい…そう思えました。

2021/02/03

コジ

★★★☆☆ 小川洋子のディストピア的な作品。様々な物が「消滅」し、人々の記憶からも消えていく島。しかし、中にはその記憶を失わない人も存在し、その人々は秘密警察に狙われ続けることになる…と書くと如何にもディストピア小説だが、そこは小川洋子、秘密警察はただのアクセントで「消滅」によって失われていく「記憶」が重要ポイントかと。美しい文体と若干の官能、このあたりは如何にも小川洋子作品と思う反面、あの危うくも目が離せない個性的なキャラクターが登場しなかったのは残念。

2021/07/26

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