それを小説と呼ぶ
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それを小説と呼ぶ / 感想・レビュー
田中峰和
「それを小説と呼ぶ」のそれとは何なのか?思わせぶりなタイトルだが、著者が考える小説の概念は一言で表せない。様々な作品とその他の表現を手掛かりとして、著者の考えが書かれているが、読み終わっても理解できたとは思えない。取り上げられる作家として、ボルヘス、ウィトゲンシュタインから、高山羽根子、円城塔、筒井康隆など範囲は広い。著者自身迷路を彷徨うように、未知の異国を旅するように、まぎれもない確信を抱きつつ書き綴っている。その確信とは何か。読者はその意味もつかめないまま読み終えるのだろう。
2021/03/25
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