KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

件 もの言う牛 (講談社文庫)

件 もの言う牛 (講談社文庫)

件 もの言う牛 (講談社文庫)

作家
田中啓文
出版社
講談社
発売日
2020-12-15
ISBN
9784065215555
amazonで購入する Kindle版を購入する

件 もの言う牛 (講談社文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

KAZOO

件の小説というと内田百閒と小松左京の小説を思い出すのですが、田中さんにもこのような作品があったのですね。最初は怪奇小説と思っていたのですが、やはり田中さんらしくスラップスティックな感じがした小説でした。件が生まれて人の寿命をしゃべり死んでしまうということで、宗教的な団体などが関与します。最後は国会議事堂がなくなったりしてまたある国でまた件を生ませようとする試みがあるようです。

2023/04/28

モルク

件は牛から生まれ、予言をしてたちどころに死ぬ。件の誕生から予言までを見てしまった大学生大輔は巻き込まれ命を狙われる。草食であるはずの牛が人を襲い内臓をむさぼり食らう。件の予言通りに首相が急死し、次期首相人事や政治家たちを牛耳っているみさき教とは何か。そして雄略天皇、一言神社などで民族学的な雰囲気もある。次々とこれでもかと人が死になかなかぶっ飛んだストーリー。でもちょっと風呂敷を広げすぎたかんじ。

2022/06/30

ぶち

読友さんの「えー!とか、うわー!とか、はあー!とか、うへー??!とか、ヒイィィィ!とか」というレビューを拝見すれば、もうこれは読まずにはいられません。裏表紙の解説には。"伝奇ホラー"とありますが、私個人的にはホラー的恐怖感が少し足りなかったかな...でも、グロテスクな描写には溢れています。人間の狂気も存分に盛り込まれてて、充分に楽しめました。そして、実存の人物、地名、神社がどんどん出てきて、興味も掻き立てられました。 現実の世界でもなにかと騒がしい彼の国が絡んだ最後のオチには、うーむと唸ってしまいます。

2021/05/02

タイ子

すごいな、これ。何がすごいって岡山県人の私にとっては「田中さん、書いちまったなぁ」って感じ。ご存じのように岡山は桃太郎伝説発祥の地として知られ、鬼伝説や鬼に因んだ場所も多々あります。そして、件と呼ばれる頭が人間、身体は牛という獣が疫病や戦争を予言するとも。この予言する牛を生ませようと秘密裡に画策する輩たち、恐ろしき野望の宗教が日本を席巻しようと暗躍する。地獄のような場所に足を踏み入れた4人の男女が見たのものは?ギャー!牛肉が当分食べられない;グロいシーンが多々あるのでご用心。面白い!岡山はいい所ですよ~。

2021/01/10

オフィーリア

半人半獣の予言を行う妖怪、件をテーマにしたお話。冒頭から古事記が引用されていたりと、期待していた民俗学系ホラーの雰囲気が漂い期待は否応にも高まります。ところが早々に大和朝廷の時代から暗躍していたという壮大な設定をお持ちの秘密結社が登場し、期待していたお話の雰囲気を遥か彼方に置き去りにして物語のスケールは加速的にインフレの一途を辿り最後まで走り抜けてしまいました。正直伝奇物とこのストーリーの壮大さは食い合わせが悪いように感じましたが振り返ってみれば楽しかったなという結果オーライの読書でした。

2022/05/06

感想・レビューをもっと見る