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はじめてのスピノザ 自由へのエチカ (講談社現代新書)

はじめてのスピノザ 自由へのエチカ (講談社現代新書)

はじめてのスピノザ 自由へのエチカ (講談社現代新書)

作家
國分功一郎
出版社
講談社
発売日
2020-11-18
ISBN
9784065215845
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はじめてのスピノザ 自由へのエチカ (講談社現代新書) / 感想・レビュー

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mukimi

筆者の代表作「暇と退屈の倫理学」で出会ったスピノザ哲学が魅力的で本書を。人の中には存在しようとする力がありその力こそが本質でありその力は経験の組み合わせにより上下するすなわち倫理学は個別の実験を要する、という私的性、さらに、自由/能動/真理の獲得を「(過程の中の)度合い」で捉える大らかさが(真理を公共的で確固たるエビデンスと定義したデカルトと対峙される)スピノザ哲学の特徴らしい。スピノザが実際、喜びを生み出す組み合わせを実験しながら追求し釣りや音楽など刺激の幅を広げる生き方をした、という点が興味深い。

2023/12/11

ひろき@巨人の肩

1677年出版のスピノザ著『エチカ』が説く「自由」が現代人の道標となる。デカルト哲学「我、思う故に我あり」を起点に発展した近代哲学。個々人の「自由意志」を原動力に発展した資本主義社会と科学技術。その結果、形成された高度な情報化社会と求められる持続可能な社会。これらに適応するために「自由」を再定義する時期に来た。スピノザ哲学における「自由」とは、世界がもたらす不合理な「強制」から脱却する「力」の獲得。そのためには、物を知り、自分を知り、実験することで、自分を変えていくしかない。

2023/11/13

アキ

スピノザの先祖はスペイン系ユダヤ人で迫害のためオランダに渡った。ベントー・バールーフ・ベネディクトと、ポルトガル・ヘブライ・ラテン語の名を持つ17世紀の哲学者。デカルトは近代科学の元であるが、主体の変容がなく存在を単なる認識の対象とした。スピノザの汎神論・神即自然・自由・主体の変容と著者の言う「違うOS」を分かりやすい例えで論じており理解できる。現代の脳科学で証明されているように、意志を持つ前に行為が開始されていることは「神という実体が変性して様態が生まれる」という考えに合致する。知的興奮が得られる一冊。

2021/05/15

やも

スピノザせんせー🙋質問です🙋「何か行動を起こすには外的要因がある」と仰いましたが、別の章では「その選択をしたのは自分自身」ともありました🙋これってどういうことですか🙋 📝覚書▶善悪の定義はなくて、自分にとって善いか悪いかってこと/自分や原因を知る。それは誰にでも当てはまること。って思えたら批判はナンセンス🤔/肉体や環境が与えられた中でにはなるが、自由は全員にある。

2024/04/16

Aster

スピノザを神の存在から訳の分からない定理をこねくりまわしてるただのイロモノ哲学者だと思ってましたが、そんなことはなかった。近代的な自我や意思に対する絶対的な信仰を捉え直す視点でスピノザを読解するととてもアツい!現代思想がスピノザ的と言うのも納得出来る。でもまだ曖昧としているのでエチカを読もうと思う。この本が指標になってよりよい読解が出来るはず。

2020/11/26

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