君たちは絶滅危惧種なのか? Are You Endangered Species? (講談社タイガ)
君たちは絶滅危惧種なのか? Are You Endangered Species? (講談社タイガ) / 感想・レビュー
bura
wwシリーズ5冊目。自然公園の湖畔で次々起る大型生物による襲撃。情報局の依頼を受けたグアドはロジと共に公園内の動物園へ向かう。今回は動物の絶滅とリアルの必要性がテーマ。バーチャル内でのリアリティが更に増す中、グアドは生きている事の価値を問う。「たとえば人格が電子化されたとき、リアルに残った肉体は存在するもの、すなわちひとりの人間として認められるのだろうか。それは生きていることになるのだろうか?」人間はもはや絶滅危惧種なのか。そしてラストに出てきたあのトランスファが今後の展開を拡げてくれる気がしてならない。
2021/06/19
南雲吾朗
相変わらず安定した面白さである。但し今回はWシリーズを既読したという大前提で物語が進んでいる。グアトの「完璧主義」の捉え方が凄く好きである。Trial and errorをすることでより完璧なものに仕上げていくというところが好きである。また、「今さらながら感慨深い気持ちで、肺活量が少なくなったような気分である。」という絶妙な言い回しも凄く好みである。主題となっているテーマが大きいだけに、今後どのように進展して行くかすごく楽しみ。
2021/05/24
akira
WWシリーズ第5弾。 タイトルにもドキリとする一冊。youとは誰のことだろう? この一連の2つのシリーズは100年後の人類が突き当たる問題の前借りに見える。SF的な仮定をすることで、人間が人間としての定義を問い直さなくてはならない日がくる。クローン、遺伝子操作、倫理などいまだ先延ばしにしている問題群。そのもっと先にある人間らしさを、確信できるだろうか? 「ヴァーチャルでは、人間が生きることで得られる感覚のすべてを再現できる。すなわち、生きている心地がする。だが、その心地は、本物なのか?」
2021/09/20
らび
今まで人間のことしか考えませんでしたが、動物にも当然リアルかそうでないかあったんですね。単に動物ではなく恐竜まで遡るとは、自然に生まれて生きてという営み自体が絶滅危惧になるならもう人間は絶滅危惧種でありその後はウォーカロンが人間となる。そしてバーチャルが支配者に?研究者みたいな何かの能力をもたないただの人はバーチャルにも弾かれひっそり消えていくのかな?悲しみとか哀れみとかのない世界って殺伐としててそこで何百年も生きていたくない。ちょっと虚しい。
2021/05/08
テフェ
大型動物に警官が襲われたり釣り人が被害に遭ったり、また動物園から動物と飼育係が行方不明になるなど事件が起こり、グアドは極秘に情報局から依頼を受ける。ウォーカロンの動物や恐竜の出現など、そして宮殿や地下の研究室とのヴァーチャルとリアルの世界の目まぐるしい交錯。人間の感情も何世紀も前に絶滅していたというリアルな世界のボディとの遊離なのか?SFの世界に数学的な表現と哲学的表現が織り混ぜられ、このシリーズ結構読むのに時間がかかる。数字に終わりがないように不完全な過去のデータを演算しながら自由を求める?
2021/07/26
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