誰彼 新装版 (講談社文庫)
誰彼 新装版 (講談社文庫) / 感想・レビュー
W-G
作品リストで改めてこの著者の寡作ぶりに驚く。その中でも今作の位置付けはどうだろう。代表作として上位に君臨する訳でもなく、かといって駄作と切って捨てることも出来ない意欲的な内容であり、まさに"怪作"という言葉こそが相応しい。しかし、難点も多く、割りと看過出来ないレベルで、パズラーとしての風味を損なう。デクスターへのリスペクトに溢れた、積み木崩しのような推理模様は楽しい。だが、あまりに簡単に鬘が偽装として成立してしまっている点はかなり微妙で、捜査が拗れたのも、裏のとれていない証言を鵜呑みにしたからにすぎない。
2021/03/19
本木英朗
日本の現代本格ミステリ作家のひとりである、法月綸太郎の作品のひとつだ。俺は1999年に一度、旧版で読んでいて、今回新たに新版でということだ。密室から消えた教祖。マンションで発生された首のない死体。犯行声明電話が告げたのは、消息不明の革命家の名。だが、その死にざまは、教祖に送られた脅迫状の通りだった!という話である。今回は英国のコリン・デクスターによるモース警部+アメリカのクイーン、という感じかな。いやはや、凄かった!の一言である。またいつか3回目に挑戦かな。
2021/08/10
ア・トイロッテ(マリポーサとも言う)(各短編の評価はコメントで)
★★★6 法月綸太郎の初期作だからか、ストーリー自体に魅力があまりない。作品の大きな特徴は二転三転する推理なのだろう。いくつかある感想では多重解決ミステリとされているが、自分にとってはむしろ解決が混乱しただけといって良い内容だった。著者は荒削りといっていて、宗教自体が興味を持たせてくれるものだったらまた違っていたのだろうと思う。
2023/08/10
Malos
多重推理ミステリ。消えた教祖、首のない死体、死んだ男と謎の犯行声明。重なる脅迫状から読み取れる意図を辿り、推理が繰り広げられる。彼は誰で、誰がだれ。
2022/10/21
見切り発車
うーん傑作。まさに名作は言葉では語り尽くせないといった感じ。単調な日常で鈍った脳を一気に生き返らせてくれた一冊。
2022/10/07
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