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台所のおと 新装版 (講談社文庫)

台所のおと 新装版 (講談社文庫)

台所のおと 新装版 (講談社文庫)

作家
幸田文
出版社
講談社
発売日
2021-08-12
ISBN
9784065239575
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台所のおと 新装版 (講談社文庫) / 感想・レビュー

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幸田文の文章は、美しく洗練されている。古めかしさはなく、粋だ。一つひとつの短編は短いが、かるく読めるような話ではないので、一心不乱に読んだ。死に近づく者の姿を間近に見る人間の、切実な感情が生々しかった。看病する側の人間は、だんだんと心をすり減らしてゆく。けれどもそういう時こそ芯の強さ、踏ん張って立とうとするたくましさがひかる。 初めて知る日本語も多かった。印象に残ったのは「胸がはららぐ」という表現。古い作品にこそあたらしい言葉を発見することができる。いくつになってもあたらしい言葉を知るのは楽しい。

2021/11/21

豆電球

老い、病、死。読書の時くらいは避けたいテーマです。が、10篇あるうちほぼこれらが題材として用いられています。置かれている状況によっては読めなかったかも知れませんが、今の私にはどの小編もなんだか分かりすぎてストンと心に落ちるのでした。諦観の境地と言うべきか。「食欲」で語られる塩むすびと店屋物の関係性には大きく首肯するしかありませんでした。本当に全ての事に余裕のない時に塩むすびなど握っていられないのです。浪費とそしられても惣菜やコンビニは乱暴で粗悪で贅沢の欠片もない。塩むすびの余裕と幸福を感じるきらびやかさ。

2021/10/12

takakomama

幸田文の孫、青木奈緒のエッセイを加えた新装版。作品の多くにモデルがいたそうです。著者が50代の時に書いた短編集。私も50代後半なので、描かれている心の機微がわかります。酸いも甘いも知って、本心を隠していても、話さなくても通じることがあります。「祝辞」の母の言葉は実感がこもっていますね。人生いろいろ・・・ 

2021/12/19

りえぞう

久しぶりにちゃんとした美しい文章を読んだ気になった。随筆なのかと思ったら、モデルのある小説だったり。表題作は悲しく、ほかの作品については、なぜこんなに女が頑張らなければならないのかと腹立たしく思ったり……夫婦のカタチは昔はこれが普通だったのかもしれないけれど、そんなに男を立てなくてもいいんじゃないの? と思うこと、しばし。

2022/01/10

snowdrop

2022/10》10年くらい前に表題作の「台所のおと」を読んで以来、幸田文の作品がとても好きになった。新装版はこのほかに九つの短編を集めた作品集になっている。殆どが初めて読む作品ばかりだった。もういまでは使わないような言い回しが出てくるので理解するのに骨が折れることもあり、読み進めるのに若干苦労したけど、言葉にするのが難しい気持ちを見事な表現で表していたりして、やっぱりこの人の言葉の使い方がすきだなと改めて思った。

2022/04/16

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