青い春を数えて (講談社文庫)
青い春を数えて (講談社文庫) / 感想・レビュー
ぼっちゃん
5人の女子高校生の悩みを描いた連作短編集。あるトラウマからNHK杯全国放送コンテストに出ることができなくなった知咲の気持ちはよくわかり良かったです。また『作戦と四角』と『漠然と五体』に出てくる清水は、印象に残る人物だった。
2022/11/26
よっち
数えても数えきれない複雑な思い。葛藤を抱える少女たちの逡巡とそれを乗り越えてゆく姿が描かれる5つの連作短編集。親友に対する複雑な想い、ズルイと思われたくないでも損したくない心境、天真爛漫な姉に対する器用貧乏な妹のコンプレックス、メガネにこだわる少女の心境を言い当てた電車の中での出会い、そして優等生が噂の不良少女に振り回されて気づいたこと。登場人物たちがゆるく繋がるひとつの世界観の物語で、繊細で複雑な想いをずっと抱えていた少女たちがきっかけを得てそれを乗り越え、新たな一歩を踏み出す姿はとても心に響きました。
2021/07/15
三代目けんこと
酸いも甘いも青春。これは、おじさんの自分ではなく、数年後の娘が読む本だな……。とりあえずそれまでは自分の本棚に置いておこう。
2021/08/21
❁Lei❁
とある登場人物の名前が私と同じだったので、ご縁かなと読んでみました。自称進学校に通う少女たちが、自尊心や劣等感でぐちゃぐちゃになりながらも前進してゆく短編集です。第一話が典型的な公立高校入試で出題されるような話だったので食あたりしましたが、共感するところも多く心臓がギュッと縮まる思いでした。「ずるい」という感情は、負のエネルギーが煮詰まった、相手も自分も貶める恐ろしいものだと常々感じています。つまらないプライドなぞかなぐり捨ててしまえば楽になれるということを、中高生の私に教えてあげたいです。
2021/08/01
有機物ちゃん
女子の自尊心と劣等感との揺れ動きが描かれた連作短編集。武田さんの作品はアンソロで読んだ事があって気になってた作家さん。やっぱりこの作家さん、歪んだ自尊心とか尊大な羞恥心とか劣等感を書くのめちゃめちゃ上手いな。すっごい良かった!10代の頃、この女子たちのように強がって斜に構えた結果、過去の自分に苦しめられたので当時を思い出して身悶える。5話目は、刹那的なやりとりがかけがえのない時間を生きてるな~!って感じで最高だった。好き。こういうヒリヒリするような話もっと読みたい。
2023/09/21
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