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真・慶安太平記

真・慶安太平記

真・慶安太平記

作家
真保裕一
出版社
講談社
発売日
2021-10-28
ISBN
9784065249987
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真・慶安太平記 / 感想・レビュー

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starbro

真保 裕一は、新作をコンスタントに読んでいる作家ですが、著者の歴史小説は、初読です。保科 正之および慶安の変(由比正雪の乱)がメインの小説も初めてでした。徳川 家光は、江戸幕府260年の礎を築いた優秀な将軍だと思っていたのですが、本書の内容が史実にに近いとすると、現在の北朝鮮の将軍様と何ら変わりません(笑) https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000355765

2021/11/26

パトラッシュ

江戸幕府への叛逆者由井正雪が実はあの人物だったとのアイデアは秀逸だが、小説としての組み立てが全くなっていない。20数年前と慶安の変を交互に描く度に話者が変わり、描写ではなく説明が長々と続いて間延びしてしまう。悪役を演じる家光と松平信綱も権力のためには手段を選ばぬ卑小さで巨悪には程遠いし、保科正之が探偵役なのは中村彰彦作品の二番煎じだ。『ホワイトアウト』で見せてくれた劇的な迫力を期待できる題材なのに、パッとせぬ展開に収まってしまう。ここ数作の低打率からすると、考えたくはないが真保裕一衰えたりというところか。

2021/12/08

とん大西

保身と栄達。大義と我欲。邪魔とみなせば排除する、功臣であれ血族であれ。あぁ、千代田の城は正に伏魔殿。由比正雪の乱については、ほとんど知識なしでしたが、テロリズムと政局の因果が絡み合うミステリアスな展開に引き込まれて面白く読めました。それにしても保科正之はどの作品でも清廉潔白で品行方正です。分相応に徹したこの武将のことは昔から好きですが、もうちょい人臭いブラックさも欲しいところ。ま、彼を良心の物指しとしているだけに仕方なしか。3代家光、春日局、知恵伊豆こと松平信綱…揃いも揃って人でなしなのよね…(^o^;)

2021/12/31

KAZOO

真保さんの時代小説というのは読んだ覚えがないのですが、由比正雪の物語をうまく脚色して楽しめる物語にしています。徳川家光三代めの将軍の弟である高遠城主保科正之(将来の会津藩主)と頭の切れる冷酷な老中の松平信綱がある意味主人公なのでしょう。由比正雪がこの物語のような人物であるという事がわかっていたとしたらかなり幕府に与える影響は大きかったといえるのでしょう。

2024/01/09

修一郎

慶安太平記とは明治初期の歌舞伎演目,主人公が由比正雪なので太平記なのだ…といったことはつゆ知らず,誉れ高き会津藩始祖保科正之の出世物語として読んだ。画策する松平信綱らのワナをすり抜けて最後には家綱の後見として重きをなすまでの正之の忍耐の日々は滅法面白かった。それにしても秀忠や家光によって江戸幕府安泰の基礎が築かれたというポジティブなイメージはかなり変わったな。春日局の跡継ぎ対策の涙ぐましいこと。フィクション部分は無理筋が気になったので違う書き方でもよかった。ここらへん時代の歴史小説を読めたので,まず満足。

2021/12/11

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