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だんまり、つぶやき、語らい じぶんをひらくことば

だんまり、つぶやき、語らい じぶんをひらくことば

だんまり、つぶやき、語らい じぶんをひらくことば

作家
鷲田清一
出版社
講談社
発売日
2021-10-27
ISBN
9784065252895
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だんまり、つぶやき、語らい じぶんをひらくことば / 感想・レビュー

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trazom

鷲田先生が愛知県立一宮高校の生徒に向けて行った講演の収録。政治家の心ない言葉やSNSでの無意味なつぶやきが溢れる現代に、言葉の大切さを訴える。寺山修司さんの「大切なのは「話しあい」ではなく「黙りあい」」という言葉が印象的。だんまりの後に、つぶやきがあり、次の語らいでもう一段ステージが上がると説くのが本書のタイトルである。「できるだけ自分と同じコンテクストで生きていない人と話すよう心掛けてほしい」という先生の思いも示される。概念的で難しい内容なのに、講演後の若者たちの質問が極めて鋭く的確で、とても頼もしい。

2021/12/14

けんとまん1007

鷲田先生の講演録。これを聴けた高校生は、素晴らしい経験になったに違いない。質問などのやり取りで、それがわかる。話すこと、聴くこと、言葉を使うこと、全般にわたって、今のこの国の惨憺たる状況にさおさすこと。話し合うではなく、黙りあうことの意味。なるほどと思う。言葉を使うというレベルに全く達していないのが、今の風潮。政治家、官僚、御用学者から始まって、俗にいう有名人もそうだ。だからこそ、語らうことへ眼を向けたい。

2022/01/16

shikashika555

「語らい」というのは趣味や嗜好が似ているもの同士の共通の確認ではなく、互いのちがいがより繊細に見えてくる作業だ。 しかしそうすると自分が危うくなる。 自分が誰で何なのかに疑いが芽生える。 その心細さを支えるのも語らい(=聴きあうこと)の中にある。 「あ、この人こんなふうな感じ方をしてるんだ」 「こんなふうに感じたらいいんだ。こんなふうに思ったらいいんだ」 と、自分を少しづつチューニングしてつくりかえていく。 またはやはり自分はこうだと再確認する。 それが語らいということなのだ。 高校生向けの講演より。

2023/04/24

tokko

高校生に向けた講演の講演録ということで、鷲田さんの語りが読めます。鷲田さんの哲学は本当にゴリゴリしていなくて、体にスッと入ってきます。スッと入ってくるんだけど、スッと出ていかずに、当分の間頭の中をぐるぐる回り続けるんだろうなという感触が得られます。

2023/06/28

クロメバル

久しぶりの鷲田清一。特に「だんまり」から「つぶやき」への流れについては、納得できることが多い。焦って「語らい」を求めることが多かったことを省みた。今年は聴く力を養うことを意識したい。

2022/01/08

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