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石を黙らせて

石を黙らせて

石を黙らせて

作家
李龍徳
出版社
講談社
発売日
2022-01-26
ISBN
9784065266793
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石を黙らせて / 感想・レビュー

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竹園和明

性被害を扱った井上荒野『生皮』を読んだばかりだが、本作は過去に強姦事件を犯した側の物語。自責の念に苛まれ、被害者女性を探して謝罪したいと考える男。婚約者も家族も仕事も失うが、それでも謝罪したい気持ちを抑えられない。だが一方的な謝罪は男の心情上の問題でしかないだろう。謝罪をしても時は戻らないし謝罪を受けても傷は癒えない。むしろこの主人公の立ち位置なら、謝罪を望む男ではなく『生皮』を裏返したような男にして欲しかった。居直る男だ。居直る男が追い詰められる過程の物語。まぁそれは井上荒野に期待するしかないか…。

2022/05/03

セロリ

上っ面な感じだ。のめり込むように読めない。過去に見知らぬ女性を強姦した男が、その事実を公開し被害者を探そうとする話なのだが、もう少し展開を工夫したほうが良かったのでは?例えば、女性の側も犯人を探していて、どこかですれ違っているとか。そうなるとちょっとサスペンス的な味わいがプラスされる。あるいは、女性の生き霊がその男を責め苛み、そのために事実を公開するしかなかったとか。この場合は、ホラー感がプラスされる。議員になった強姦の首謀者や曹洞宗の若い坊主とのやりとりは面白いので次に期待したい(上からすまぬ😅)

2022/04/17

メタボン

☆☆☆ 新作が出るたび追いかけてきている作家。デビュー作の「死にたくなったら電話して」が衝撃的だっただけに毎回期待して読むものの、なかなか処女作を越えられないでいる。本作には拙作の感を抱いた。過去の強姦罪を悔いて全てを明るみにして謝罪しようと決意するに至ったという非常に重いテーマに対して、腰砕けのまま終わってしまった印象。被害者にまでたどり着き、そこで救済されないまま更なる地獄に至るさままでを書こうとすると、到底この分量では済まず、恐らくこの3~4倍程度の長さにはなるはず。熟成する必要があったのでは。

2022/04/10

真琴

過去に性犯罪を起こした男性が、何年も経って被害者の女性に償いをしようと行動を起こす。被害者ではなく加害者の立場からのお話。しかし、被害者の女性を探して謝罪しようとする行為は、自己満足で、もしかしたら女性からすると過去の辛い出来事を掘り返され迷惑なことかもしれない。「あらかじめ許されることを期待してする謝罪になんの意味があるのでしょうか?」(p153)という台詞がありますが、加害者は謝罪を通して単に楽になりたかったのでは?このような話は初めてで、誰にも共感できなかった。それが狙いなのかな? ★★★☆☆

2022/02/21

tomtom

彼の謝罪したいという気持ちは自己満足のようにしか感じなかった。他の友達よりかは反省している分マシだとは思うけど、被害者は彼らには会いたくないだろう。お坊さんとの話が面白かった。

2022/09/01

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