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ふしぎな図書館とアラビアンナイト ストーリーマスターズ2

ふしぎな図書館とアラビアンナイト ストーリーマスターズ2

ふしぎな図書館とアラビアンナイト ストーリーマスターズ2

作家
廣嶋玲子
江口夏実
出版社
講談社
発売日
2022-07-13
ISBN
9784065280768
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「ふしぎな図書館とアラビアンナイト ストーリーマスターズ2」のおすすめレビュー

子どもが本好きになる本発見! “読み方”は一つとは限らない。図書館司書が「すごい!」とうなった、想像力が育まれる「銭天堂」シリーズ著者の名シリーズ

『ふしぎな図書館と魔王グライモン』(廣嶋玲子:作、江口夏実:絵/講談社)

 廣嶋玲子氏の「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」シリーズ(偕成社)が、児童書にもかかわらず大人たちからも強く支持されているのは、「こうなったらいいのに」の些細な願望がいかに危険な欲望に変わりうるかを突きつけてくる“ゾクッと感”があるからではないだろうか。『鬼灯の冷徹』の著者・江口夏実氏のイラストでも話題の、廣嶋氏の新作「ストーリーマスターズ」シリーズ(講談社)もまた同じ。たとえ誰かを思いやってのことだったとしても、安易な願いは幸せどころか破滅を呼びこんでしまうのだということを、古来のおとぎ話を通じて描きだす。

 第1巻『ふしぎな図書館と魔王グライモン』は、小学4年生の少年・宗介がグリム童話の物語世界に入り込んでしまうところから始まる。魔王グライモンによって物語のキーパーツが盗まれたせいで、展開が改変され、めちゃくちゃな結末を迎えてしまったおとぎ話をもとに戻すヒーローとして選ばれたのだ。

 たとえば『ヘンゼルとグレーテル』では、兄妹仲がめちゃくちゃ悪くなっており、グレーテルはいじわるな…

2023/5/17

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ふしぎな図書館とアラビアンナイト ストーリーマスターズ2 / 感想・レビュー

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のっち♬

『不思議な図書館』第2作。主役は宗介のクラスメイトの少女へシフトし、千夜一夜物語の世界へ。意外なものが盗まれた『アリババと40人の盗賊』、相続で身内抗争が起こる『アラジンと魔法のランプ』、最後はメタ構造まで広がり、話毎の連関性が前作より遥かに錯綜した手の込んだ仕上がりになっている。また、航海に出たがらない船乗りシンドバッドの言い分は至極真っ当で、物語に必要なのは決して理性的・合理的な判断ばかりでないことが暗示される。葵の負けず嫌いが祟る件では"完璧な嘘"というファンタジーの美学を提示、ここは予定調和過ぎ。

2024/03/09

KAZOO

1巻と3巻を読んでいたのですが、これが抜けていました。4巻も出たようですね。この作者さんのは「銭天堂」や「十年屋」で楽しませてくれていますがこのシリーズでは世界の文学を題材としての冒険物語です。しかも絵がそれにもまして魅力的です。「アラビアンナイト」のキーパーツを盗んで物語の世界をおかしくする大王に対して、女の子と男の子(アラビアンナイトを編纂したバートン卿)が活躍します。

2023/12/15

ゆのん

【シリーズ2作目】今回の主役はちょっと、いや、かなり性格の悪い少女・葵。自称頭が良くて読書家らしいが、物語やファンタジーを馬鹿にしている。読んでいても大人気なくイラつく主人公だ。グライモンに盗まれたのは『千夜一夜物語』。その中から有名な『アリババと40人の盗賊』『アラジンと魔法のランプ』『シンドバッドの冒険』。物語の美しい終わり方や、ファンタジーの完璧な嘘などについても語られていて、少し現実的過ぎる感じはしたが、千夜一夜物語らしい冒険の旅は今回も面白かった。

2024/04/06

Roko

葵は頭は悪くないけど、性格はちょっと悪い。本を読むのは嫌いじゃないけど、物語やファンタジーをバカにしているところがあったのです。今回修復することになったのは「アラビアンナイト」です。ブックを持って修復する人は既にいるのだけど、その助手として働くように葵は任命されてしまいました。『物語の中では想像力が力となる。それを忘れないことじゃ。』 葵にとって、一番不足していたのは、想像力だったということを、この冒険の中で痛いほど思い知らされるんです。#合本版ふしぎな図書館シリーズ #NetGalleyJP

2024/02/25

昼夜

第1作と違う主人公の女の子のキャラクターが私の黒歴史を刺激して読んでて小っ恥ずかしくなって読むのに苦労しました(笑)が、一昔前に流行った「本当は怖いグリム童話」を思い出しました。絵本やディズニーで見たのは簡略化されたものだったんだ、物語を知ってるようで知らないことばかりでちゃんと本来の形の物語を読みたくなりました。

2022/07/26

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