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太陽諸島

太陽諸島

太陽諸島

作家
多和田葉子
出版社
講談社
発売日
2022-10-20
ISBN
9784065291856
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太陽諸島 / 感想・レビュー

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starbro

以前から気になっていた多和田 葉子、初読です。本書は、アイロニー&メタファーに溢れた近未来日本消滅世界小説、本年のBES20候補です。個人的には、公用語はバンスカ語ではなく、エスペラント語およびそのエリアの独自言語で、ゆるやかな世界連邦を望んでいます。主人公のHirukoが私の地元新潟出身だとは思いませんでした。 連作長篇三部作の完結篇ということなので、第一部、第二部も読んでみたいと思います。 https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000369071

2022/12/18

KAZOO

多和田さんの最近作で「地球にちりばめられて」「星に仄めかされて」に続く三部作の最終作です。前2作は忘れてしまっていますが、簡単な「ガイド」と人物紹介があり参考になります。さまざまな国の人がひとつの舟に乗りバルト海を航海して極東を目指します。そのあいだのやり取りが非常にわかりやすい言葉で語られます。本当に多和田さんの文章は読みやすくすらすら読み進めることができます。これもドイツ語で出版されているのでしょうか?ノーベル文学賞を是非取ってもらいたいですね。

2022/11/26

榊原 香織

3部作の最終巻(それともまだ続く?)。3作とも面白かった。1作目の新鮮さは薄れたけど。 冠詞についての議論とか、言語学小説といおうか。 今話題?のロシアの飛び地、カリーニングラードも出てくる。 登場人物ではアカッシュが好きだな

2024/03/01

ヘラジカ

新時代の連作ロード・ノベルが遂に完結。とは言っても、最後のページに辿り着いても、まだまだ彼女たちの旅は続きそうで寂しさは少しもない。グローバリズムと伝統文化、現実的な世界とユートピア思想など、互いに相容れないように思われるものを柔らかく結びつけていたこのサーガに相応しい、開かれたエンディングだったのではないか。多和田氏の新奇な世界観、それをそのまま褪せさせず読者に伝えてしまう筆力には毎度驚かされる。文学とは遊び心に溢れたものであることを教えてくれる三部作だった。

2022/10/24

チャーリブ

Hiruko三部作(勝手な命名です)の完結編。消えた日本を探す船旅に出たHirukoたち6人ですが、なせかバルト海を東に進んで沿岸の諸都市を訪ねます。ロシアの飛び地・カリーニングラードで、ウラジオストック出身の男性教師がロシア人のヨーロッパへの憧れと不安について語っています。ロシア人の「誇りを傷つけられるなら我が道を行く」という考え方に対して「我が道などない。旅は道連れです」とHirukoの仲間が応えるところが象徴的です。言語と同じくひとつの国家に囚われない生き方の可能性を指し示す作品となっています。○

2022/12/24

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