読みたい本がここにある

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

太陽諸島

太陽諸島

太陽諸島

作家
多和田葉子
出版社
講談社
発売日
2022-10-20
ISBN
9784065291856
amazonで購入する Kindle版を購入する

太陽諸島 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

KAZOO

多和田さんの最近作で「地球にちりばめられて」「星に仄めかされて」に続く三部作の最終作です。前2作は忘れてしまっていますが、簡単な「ガイド」と人物紹介があり参考になります。さまざまな国の人がひとつの舟に乗りバルト海を航海して極東を目指します。そのあいだのやり取りが非常にわかりやすい言葉で語られます。本当に多和田さんの文章は読みやすくすらすら読み進めることができます。これもドイツ語で出版されているのでしょうか?ノーベル文学賞を是非取ってもらいたいですね。

2022/11/26

ヘラジカ

新時代の連作ロード・ノベルが遂に完結。とは言っても、最後のページに辿り着いても、まだまだ彼女たちの旅は続きそうで寂しさは少しもない。グローバリズムと伝統文化、現実的な世界とユートピア思想など、互いに相容れないように思われるものを柔らかく結びつけていたこのサーガに相応しい、開かれたエンディングだったのではないか。多和田氏の新奇な世界観、それをそのまま褪せさせず読者に伝えてしまう筆力には毎度驚かされる。文学とは遊び心に溢れたものであることを教えてくれる三部作だった。

2022/10/24

Odd-i

日本語/ドイツ語と言葉の世界を渡り歩き、時として(全くできない)スペイン語の悪夢さえ見ることがあるという多和田氏から紡ぎ出された愉快な(いささか不愉快な人物も)六人の仲間たちの道行も、これにて一応の完結。 行き先も行き方も謎に満ちた船旅中での仲間同士の会話や他の船客や寄港地での出会いで交差する言語、民族性、ジェンダー。言葉の奔流の中、六人は無事目的地に辿り着くことができるのだろうか?いや、そもそも目的地などあったのかどうか。「答えは、踊りの中にある。さあ、もう少し踊ろうよ。」多和田葉子の言葉の宇宙の中で。

2022/11/04

フランソワーズ

”パンスカ”三部作の最終章。これまでと異なり、情景描写が増えてきた。半ば国境が存在しないバルト海という器で同舟する6人と、他の乗員、寄港地の住人。大団円に向かって、旅の終わりから新たなる旅へと進む。国とは、祖国とは、人種とは(性も)。それをつなぐ言語(コミュニケーションのツールとして、言葉でないものも含め)が縦横無尽に、しかも各々背後にある環境・歴史などを反映した人格が絡み合い、多様な世界を作っている。それがシリアスではなく、時にジョークも含んで進行するため、読んでいて快いこと、この上ありませんでした。→

2022/11/23

ハルト

読了:○ 言葉も国も違う六人が、失われてしまった国を目指し、船旅をする。▼それぞれが旅の語り部のように旅を語り、そこには、なにがしかの喪失と空虚さが感じられる。▼六人のエクソダスには、各人の背負う国の物語があり、船で交わる言語や文化が語られ、再構築される。▼三部作の最終巻ということで、どのような結末かと思っていたら、異国の旅は続くようなので、よかったと云うべきか、ひとまずの決着を見たかったというべきか、悩ましい。▼世界の中で祖国というものがなんなのかを、改めて考えさせられる作品だった。

2022/12/01

感想・レビューをもっと見る